NYの視点:米2月雇用統計:労働市場動向判断へ、先行指標は強弱まちまち
*08:27JST NYの視点:米2月雇用統計:労働市場動向判断へ、先行指標は強弱まちまち
米労働省が発表する2月雇用統計は、エコノミストの平均予想で非農業部門雇用者数が+16万人と、伸びが1月+14.3万人から拡大する見込みとなっている。失業率は1月と同様4.0%と歴史的にも低い水準を維持する見込み。連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ観測が強まる中、労働市場の急速な悪化の兆候は依然見られない。
先行指標のひとつ民間部門の雇用統計となるADP雇用統計は+7.7万人と、1月から予想以上に伸びが減速し、昨年7月来で最低の伸びにとどまった。ISM製造業の雇用は47.6と、予想外に再び50を割り込んだ。コンファレンスボードが発表した消費者信頼感指数で、エコノミストが労働市場動向を判断するうえで注視している雇用が「十分」33.4と「困難」16.3の差は1月から一段と縮小し労働市場の減速を示唆した。
一方で、米国経済は消費が7割を占めるため注目されていたISM非製造業景況指数の2月雇用は53.9と、1月の52.3から低下予想に反し上昇し21年12月来で最高となった。5カ月連続で活動の拡大となる50を上回るなど、労働市場が底堅い証拠も見られる。FRBが公表した最新の地区連銀経済報告(ベージュブック)でも雇用を巡り若干増加したとしたが、地区によりまちまちと指摘した。
雇用統計でさらに、連邦職員削減などの影響を受けた労働市場動向を判断することになる。
■2月雇用先行指標
●ADP雇用統計:+7.7万人(予想:+14万人、1月:+18.6万人←+18.3万人)
●ISM製造業雇用:47.6(1月55.1)
●ISM非製造業雇用:53.9(1月52.3)
●コンファレンスボード消費者信頼感指数
現在の業況
雇用
十分:33.4(1月33.9、前年同月42.8)
不十分:50.3(51.6、44.5)
困難:16.3(14.5、12.7)
6カ月後
雇用:
増加:18.4(19.1、14.1)
減少:25.9(21.0、17.5)
不変:55.7(59.9、68.4)
所得
増加:18.2(18.1、16.3)
減少:13.7(12.3、11.9)
不変:68.1(69.6、71.8)
■市場予想
・米・非農業部門雇用者数:予想:+16万人、1月:+14.3万人)
・米・失業率:予想:4.0%、1月4.0%)
・米・平均時給:前月比+0.3%、前年比+4.1%、1月:+0.5%、+4.1%)
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