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銘柄/投資戦略 2025/03/11 13:05 一覧へ

トヨクモ Research Memo(5):2024年12月期の個別業績は2ケタ増収増益。同社の想定より売上高が伸長

*13:05JST トヨクモ Research Memo(5):2024年12月期の個別業績は2ケタ増収増益。同社の想定より売上高が伸長 ■トヨクモ<4058>の業績動向

2024年12月期業績(連結)は、売上高が3,146百万円、営業利益が1,162百万円、経常利益が1,162百万円、親会社株主に帰属する 当期純利益が841百万円となった。2024年12月期より連結業績の開示に変更したため、前期との比較は開示されていないが、弊社による単純比較による算出では、売上高は前期比29.3%増、営業利益は32.8%増、経常利益は32.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は33.3%増となった。個別では、売上高で前期比28.3%増、営業利益で同34.1%増、経常利益で同34.3%増、当期純利益で同35.0%増となった。同社は2024年5月に連結での計画として売上高3,000百万円、営業利益1,000百万円を提示したが、2024年11月の第3四半期決算発表時に、これを売上高3,100百万円、営業利益1,100百万円へと上方修正し、おおむねその上方修正計画に沿った着地となった。売上高としては、安否確認サービス、kintone連携サービスがともに良好に推移し、営業利益は上方修正比で上振れとなった。同社の想定より売上高が伸長したことに加え、人件費が想定を下回ったことが影響した。なお、同社のKPIの1つである有償契約数は順調に拡大基調を続けていることから、今後も売上高・営業利益ともに右肩上がりでの推移が見込めるだろう。

2024年12月期のサービス別売上では、安否確認サービスが同21.4%増の1,047百万円、kintone連携サービス等が同33.6%増の2,098百万円であり、ともに良好に推移している。安否確認サービスは記録的な地震の発生による防災意識の高まりを受け、受注が好調であった。kintone連携サービスは2024年10月発注分からの月額/年額サービスの価格を20%程度値上げし、11月の売上高から一部価格改定の効果が反映された。同社の平均単価は、2023年12月末の18,000円台から2024年12月末には19,548円に大きく上昇した。売上総利益は3,057百万円であり、売上総利益率は97.2%と高水準が維持できている。営業利益率は36.9%となり、前期の35.9%から1.0ポイントの上昇となった。人件費や広告宣伝費が継続的に増加しているが、引き続き大幅な増収増益であり、弊社では極めて良好な決算であったと弊社は捉えている。

同社の2024年12月期の期初広告活動予算は620百万円を計画していたが、2024年11月の第3四半期決算発表時に760百万円に上方修正した。売上高の上方修正と人件費の下方修正などの業績予想の修正を勘案し、広告予算を積み増した形である。実際に計上された2024年12月期の広告宣伝費は752百万円であり、ネット広告や事例コンテンツの作成などへ予算を順調に消化した。

同社が重要視しているKPIについては、2024年12月期末の有償契約数は前期比23.9%増の17,320件(前期末比3,339件増)となった。サービス別の有償契約数は、安否確認サービスが4,278件(同804件増)、kintone連携サービス等が13,042件(同2,535件増)であり、ともに順調に推移した。有償契約数の伸び率は、2024年12月期は23.9%増と伸び率が鈍化した。チャーンレートは0.71%であり、低水準を維持している。

個別サービスのLTVの合計値(安否確認サービスのLTV、kintone連携サービスのLTV)は、2024年12月期は600億円台での推移となった。特に第4四半期はkintone連携サービスのLTVの成長が加速し、合計に占める割合も4割程度まで拡大した。

同社は、毎月15日前後に月次売上の速報値を発表している。2021年から2022年2月頃までは前年同月比で40%を超える売上成長が続いていたが、その後はやや成長率が鈍化傾向である。2024年は10月までは前年同月比で25~28%の安定した成長を単体ベースで示していたが、11月以降はkintone連携サービスの価格改定効果で同36~37%の成長率に加速した。2025年1月は連結ベースで同52.6%となった。同社は2025年12月期も通期で値上げ効果を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)

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