日経平均は大幅に5日続落、米雇用指標の上振れで金利急伸・株売り加速
*15:31JST 日経平均は大幅に5日続落、米雇用指標の上振れで金利急伸・株売り加速
日経平均は大幅に5日続落。3日の米株式市場でダウ平均は430.97ドル安、ナスダック総合指数は-1.86%と大幅に下落。8月JOLTS求人件数が予想に反して増加し、長期金利の急伸が売りを誘発した。また、つなぎ予算を成立させ政府機関の閉鎖回避にこぎつけたマッカーシー下院議長が解任されたことも先行き不透明感を強めた。米国株の急落を受けて日経平均は472.91円安からスタート。時間外取引の米10年債利回りが一段と上昇するなかリスク回避の売りが膨らみ、前場から600円超の下落となった。後場は日本銀行の上場投資信託(ETF)買い観測から下げ渋る場面もあったが、買い戻しは続かず再び軟化。香港株の下落や時間外取引の米株価指数先物の失速を背景に取引終盤には手仕舞い売りが広がり、日経平均は一時30500円を割り込む場面があった。
大引けの日経平均は前日比711.06円安の30526.88円となった。東証プライム市場の売買高は20億2967万株、売買代金は4兆4589億円だった。セクターでは輸送用機器、鉄鋼、銀行を筆頭に全面安となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の92%、対して値上がり銘柄は7%だった。
個別では、米国時間に一時急速に円高・ドル安が進むなど神経質な動きが見られた為替動向の影響もあり、マツダ<7261>や三菱自動車<7211>などの輸送用機器セクターが前日に続き急落。川崎汽船<9107>、丸紅<8002>、神戸製鋼所<5406>、フジクラ<5803>、三菱重工業<7011>、INPEX<1605>、東京電力HD<9501>など景気敏感やバリュー(割安)系のセクター・銘柄も総じて大幅に続落。日米長期金利の上昇にもかかわらず三菱UFJ<8306>などの銀行株も急落。大型株は軒並み売られていて、アドバンテスト<6857>や東エレク<8035>の半導体株も大きく下落した。
一方、オリンパス<7733>やテルモ<4543>の精密機器の一角、エムスリー<2413>やストライク<6196>、M&Aキャピタル<6080>のグロース(成長)株の一部が買われた。
好決算を手掛かりにクスリのアオキ<3549>は急伸。好業績の観測報道が伝わったオービック<4684>や前日の決算説明会で過度な警戒感が後退したネクステージ<3186>
も買い優勢。東証スタンダードでは、電気自動車を走行中に給電する技術の開発に取り組んでいることを発表したカーメイト<7297>がストップ高まで買われた。
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