NYの視点:米消費信頼感の悪化受け成長減速懸念も、ただ、政治的見解も大きく影響か
*07:40JST NYの視点:米消費信頼感の悪化受け成長減速懸念も、ただ、政治的見解も大きく影響か
米国の消費や住宅市場データの悪化が目立つ。関税が物価を押し上げるとの見方も強まり、インフレ期待率が上昇しつつあることも警戒材料となっている。米10年債利回りはトランプ大統領が就任以降、6週連続で低下した。一部著名投資家が先週開催されたイベントで、トランプ政権下の政府効率化省(DOGE)が実施している大規模な連邦職員解雇も含む政府のコスト削減や移民策、関税が経済にマイナスに影響する可能性を警告した。
こういった不安が製造業にも波及している。米2月ダラス連銀製造業活動は―8.3と、予想外に11月来のマイナスに落ち込み昨年8月来で最低となった。1月の+14.1から22ポイント大幅低下。見通しも24ポイント低下し―5.2と冴えない。見通しの不透明性は29.2に急伸し、7カ月ぶりの高水準となった。同指数の雇用も弱い。雇用指数はゼロ。労働時間指数も―14.2と、パンデミックによる経済封鎖となった2020年半ば以降で最低となった。
先週発表された最新2月のミシガン大消費者信頼感指数は予想外に下方修正され、23年11月以降で最低に落ち込んだほか、同指数の5-10年期待インフレ率は3.5%と、1995年来で最高を記録した。消費者信頼感は、昨年の米国大統領選挙後、トランプ政権の規制緩和など、景気支援する策への期待に信頼感は上昇基調にあったが、政府効率化プログラムや関税などが景気にマイナスに影響するとの不安が強まりつつある。
同時にミシガン大消費者信頼感指数には政治的な見解の相違も、反映している。共和党支持者の信頼感は、変わらず。民主党やどちらの党も支持していない消費者の信頼感は低下し、指数全体を押し下げ。期待インフレ率も押し上げた。政治的偏見も大きく影響している可能性で、過剰に経済やインフレに悲観的となっている可能性もある。同時に、今後、政策の成果が経済に反映すれば、再び信頼感が改善する可能性も現状で否定できない。
コンファレンスボードが発表する消費者信頼感で、消費動向をさらに判断する。
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