NYの視点:米2月ISM製造業景況指数、スタブフレ―ションの兆候、厳冬などの特別要因の影響も
*07:45JST NYの視点:米2月ISM製造業景況指数、スタブフレ―ションの兆候、厳冬などの特別要因の影響も
米供給管理協会(ISM)が発表した2月ISM製造業景況指数は50.3と、1月50.9から予想以上に低下した。ただ、26カ月連続で活動の縮小となる50割れで推移後、2カ月連続で活動の拡大となる50を上回った。
重要項目となる新規受注は48.6と、予想外に3カ月ぶりに50割れで活動が縮小。雇用も47.6と、予想外に再び50を割り込み、成長減速が示唆された。一方で、仕入れ価格は62.4と、1月の54.9から予想以上に上昇し、22年6月来で最高とインフレピーク時の高水準での推移となった。今後、予定されている関税発動により、価格が一段と上昇する可能性はセクターにとっても懸念材料となる。ISMのフィオレ氏は、製造業は2カ月連続で活動が拡大したが、新規受注が50が活動縮小域に落ち込んだほか、輸出受注の成長ペースも鈍化、受注残も依然縮小域にある。在庫も依然過剰に低水準で、需要の弱まりが示唆されていると指摘した。
米商務省が使用しているモデルと類似したモデルを使用しているアトランタ連銀の1-3月期国内総生産(GDP)見通しは従来のマイナス1.5%からマイナス2.8%と、一段と引き下げられた。個人支出の成長が1.3から0、実質民間投資の成長は3.5%から0.1%へそれぞれ下方修正された。
市場ではスタグフレーション入りなどの悲観的見解も強まりつつある。ただ、厳冬や移民関係の修正が影響された可能性も残り、現時点では特別要因が指数を押し下げている可能性も残る。景気後退を想定するには時期尚早である可能性もある。
■米2月ISM製造業景況指数:50.3(1月50.9)
新規受注:48.6(55.1)
仕入れ価格:62.4(54.9)
雇用:47.6(50.3)
受注残:46.8(44.9)
入荷遅延:54.5(50.9)
在庫:49.9(45.9)
顧客在庫:45.3(46.7)
新規輸出受注:51.4(52.4)
輸入:52.6(51.1
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