ラクトJPN Research Memo(6):全部門の販売数量が前期を上回り、過去最高の売上高、利益を更新(2)
*18:06JST ラクトJPN Research Memo(6):全部門の販売数量が前期を上回り、過去最高の売上高、利益を更新(2)
■ラクト・ジャパン<3139>の業績動向
(4) アジア事業(乳原料販売部門)
日本の脱脂粉乳の在庫水準が低下したため、前期に拡充していた国産脱脂粉乳の輸出関連取引が減少する一方、日本向けの粉乳調製品の原料販売が復調の兆しを見せ、販売数量は前期比6.6%増の39,728トン、売上高は同14.1%増の21,584百万円となった。国内での乳製品の消費減退や生乳の増産による輸入調製品の需要減少を懸念して、販売数量、売上高の通期修正予想は期初予想を下方修正し前期比マイナスとしていたが、相反する結果となった。また、フィリピン、マレーシアでの現地企業との新規取引が増加するなどアジア地域の現地企業への販売が順調に推移したほか、現地日系企業向けの販売も堅調に推移した。加えて、インドネシアではLTI社が新規にオセアニア産の乳原料の代理店販売を開始したことで販売数量が大きく伸長した。部門に占めるウェイトはまだ小さいが、事業拡大の可能性を秘めている。利益面では、価格訴求品の販売減少などに伴い商品ミックスが改善したため利益率は改善した。
(5) アジア事業(チーズ製造販売部門)
プロセスチーズ、ナチュラルチーズともに販売は順調に推移し、販売数量は前期比12.3%増の5,422トン、売上高は同15.9%増の5,594百万円と、通期修正予想を上回った。シンガポール、マレーシアを中心に旅行・観光関連消費が下支えとなり、外食やベーカリー向けにナチュラルチーズ加工品販売が増加した。また、プロセスチーズの販売も回復傾向となった。日系外食チェーン向けの販売数量も好調に推移した。耐熱性や伸延性など顧客が求める品質に応えたプロセスチーズを開発・提案していることが拡販につながっているようだ。また、原料チーズ価格の落ち着きや、製造量の増加による稼働率改善により原価率が低下したことに加え、前期に実施した販売価格改定の効果により利益率は改善した。
(6) その他
海外子会社において、日本の顧客に直接乳原料を販売する案件があったことから、売上高は前期比380.2%増の2,616百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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