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銘柄/投資戦略 2024/12/27 16:01 一覧へ

高島 Research Memo(1):2025年3月期第2四半期は増収・営業減益

*16:01JST 高島 Research Memo(1):2025年3月期第2四半期は増収・営業減益 ■要約

高島<8007>は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3セグメント※で事業を展開している。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまでの幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化、省力化に貢献するとともに、サステナビリティ社会の実現に寄与している「サステナの先進商社」である。直近11年間の親会社株主に帰属する当期純利益は10億円以上と安定した業績で、堅実な収益基盤と財務基盤を構築している。同社は、中期経営計画「サステナV(バリュー)」の下、戦略的投資の実行による持続的成長企業への転換に注力している。同計画においてはROE(自己資本利益率)を8.0%以上、ROIC(投下資本利益率)の基準を6.0%以上と具体的に設定しており、資本コストを意識した事業活動・投資活動を行うなかで、今後のさらなる企業価値向上が期待される。

※ ほかに賃貸不動産セグメントがあるが、規模が小さいため割愛している。なお、2024年1月に賃貸不動産を売却したことに伴い、2025年3月期から賃貸不動産セグメントは消滅。

1. 業績動向
2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の46,392百万円、営業利益で同8.9%減の908百万円となった。中期経営計画「サステナV(バリュー)」で定める各種戦略を着実に遂行するなか、建材、産業資材、電子・デバイスとすべての事業セグメントが前年同期比で増収となったことが連結ベースの売上高を押し上げた。利益面に関しては、産業資材セグメントと電子・デバイスセグメントが増益と好調だったものの、建材セグメントが減益となったほか、さらなる業績拡大を志向した戦略投資の一環としてM&Aを推進するなかで、連結子会社が増えたことでのれん償却費用を含む販管費が増加したことなどが影響した。営業利益は減益となったものの、各事業が総じて順調に進捗している状況である。同社はグループ全体で成長率と収益性の観点から事業ポートフォリオの整理を推進している。事業の選択と集中を加速させるなかで、販管費率も適正化していくものと弊社は見ている。

2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.3%増の94,000百万円、営業利益で同14.4%増の2,000百万円を見込んでおり、期初時点の予想から変更はない。建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメント、すべてのセグメントで増収増益を見込んでいる。建材セグメントに関しては、上期終了時点で減益となったものの、期末に向けては収益性の高い案件の受注に注力することによって、利益を積み上げていく方針だ。その他の各セグメントに関しても、中期経営計画で定める各種戦略を推進しながら売上と利益を積み上げ、業績予想達成を目指す。また同社は、資本効率のさらなる向上と株主還元の拡充による企業価値の持続的な向上などを目的として、2年間の限定措置で配当性向80%以上、総還元性向100%に引き上げることを発表している。成長投資による持続的な業績拡大と株主還元のさらる拡充を同時に追求するによって企業価値をさらに高めていく構えだ。

2. 中期経営計画
同社は2020年12月、2023年3月期を最終年度とする前中期経営計画「サステナX(クロス)」を発表した。「サステナX(クロス)」はその前の中期経営計画「サステナ2020」の基本戦略である「ダントツ戦略」「生産性の向上」「コーポレート・ガバナンスの強化」を踏襲しつつ、「ダントツ戦略のさらなる進化」「生産性向上による強靭なコスト競争力獲得」「コーポレート・ガバナンスの強化」によって、バリューチェーンにおける設計から施工・サポートに至るまで各機能の形成・拡充を一層強く推進し、長期的な成長基盤の確立に向けて、事業構造・ポートフォリオの転換を図ってきた(最終年度である2023年3月期に親会社株主に帰属する当期純利益を1,400百万円にするという目標は達成)。

そして、2023年3月には次期中期経営計画として「サステナV(バリュー)」(2024年3月期~2026年3月期)を策定した。超長期的な目標として2050年に「カーボンニュートラル社会の実現」を掲げ、市場の成長機会を捉えた価値創造により、サステナ社会への適応と持続的成長を同時に実現することを目指している。数値目標としては、2026年3月期に連結売上高1,100億円、親会社株主に帰属する当期純利益19億円、ROE8%以上、ROIC6.0%以上などを掲げている。各事業のキャッシュや政策保有株式売却などにより創出したキャッシュと、外部資金を有効に活用することで、親会社株主に帰属する当期純利益及びROEを高めていく。

■Key Points
・2025年3月期第2四半期は増収減益、M&A推進による販管費増などが影響
・2025年3月期は増収増益、配当性向、総還元性向も大幅引き上げ
・2024年3月31日をもってプライム市場上場維持全基準に適合
・中期経営計画「サステナV(バリュー)」の下で引き続き企業価値の向上に注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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