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市況・概要 2025/02/04 08:42 一覧へ

前場に注目すべき3つのポイント~トランプ関税の発動延期で自律反発を意識~

*08:42JST 前場に注目すべき3つのポイント~トランプ関税の発動延期で自律反発を意識~ 4日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


■トランプ関税の発動延期で自律反発を意識
■JR東、3Q営業利益 18.1%増 3525億円
■前場の注目材料:IDEC、100億円投じ米に新拠点、生産・物流・開発集約


■トランプ関税の発動延期で自律反発を意識

4日の日本株市場は、前日の大幅な下落に対する自律反発が意識されそうだ。3日の米国市場は、NYダウが122ドル安、ナスダックは235ポイント安だった。トランプ政権による対メキシコ、カナダ、中国への関税発動によって経済成長鈍化や物価上昇を警戒した投資家心理の悪化から売りが先行した。その後、メキシコ大統領が合成麻薬や不法移民の国内流入を防ぐために治安要員を即座に国境に派遣し管理することでトランプ大統領と合意し、関税導入の1カ月間延期が発表され、NYダウは一時プラスに転じる場面もあった。シカゴ日経225先物は大阪比295円高の38895円。円相場は1ドル155円10銭台で推移している。

日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。トランプ政権による関税政策の動向に振らされやすい需給状況であるが、メキシコと1カ月延期で合意したことで、ひとまず前日の大幅な下げに対する買い戻しの動きに向かわせそうだ。また、カナダのトルドー首相と関税実施を30日遅らせることで合意したと報じられているほか、中国の習近平国家主席と近く会談を行うと報じられていることで、押し目待ち狙いの買いが入りやすいだろう。

日経225先物はナイトセッションで一時38460円まで下げる場面もみられたが、200日線水準で下げ止まる形で切り返しており、一時39150円まで買われた。75日線が心理的な抵抗線として意識されるものの、同水準をクリアしてくるようだと、39320円辺りで推移している25日線が射程に入ってくるだろう。昨日の日経平均株価は200日線(38635円)を割り込んで終えているが、本日は同線を上回って始まる可能性があるなか、75日線が位置する39030円が目先的なターゲットになりそうだ。

物色としては指数インパクトの大きい値がさハイテク株のほか、関税発動による影響が警戒されるなかでトヨタ<7203>など自動車株の弱さが目立っていたため、いったんは買い戻しの動きに向かわせそうである。また、米スーパー・マイクロ・コンピューターが時間外取引で10%近く上昇しており、生成AI関連などへの物色も意識されそうだ。そのほか、昨夕決算を発表したところでは、大塚商会<4768>、日化薬<4272>、ANA<9202>、ヒロセ電<6806>、東計電算<4746>、dely<299A>、ヤマトHD<9064>、神戸電鉄<9046>、アルペン<3028>、オーナンバ<5816>などが注目される。


■JR東、3Q営業利益 18.1%増 3525億円

JR東<9020>が発表した2025年3月期第3四半期業績は、売上高が前年同期比6.2%増の2兆1260億7000万円、営業利益は同18.1%増の3525億5300万円だった。通期計画に対する営業利益の進捗率は95.2%となる。鉄道運輸収入は6%増の1兆3344億円と、新型コロナウイルス禍前の19年同期比5%減の水準まで回復。移動需要が伸び、駅ナカ店舗やホテルの利用も好調だった。


■前場の注目材料

・シカゴ日経平均先物は上昇(38895、+295)
・米原油先物は上昇(73.16、+0.63)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請


・IDEC<6652>100億円投じ米に新拠点、生産・物流・開発集約
・川崎重<7012>岐阜工場再編、ヘリ・防衛装備品を拡充
・味の素<2802>社長に中村氏、初の技術系出身、藤江氏は会長
・ソフトバンクG<9984>米オープンAIと新会社、企業にAIカスタマイズ
・双日<2768>開発参画の洋上風力、台湾沖で商業運転開始
・三菱重<7011>JAXAと「H3」5号機打ち上げ成功、日本版GPS確立加速
・ホンダ<7267>年末から米でEV生産、追加投資470億円
・HPCシステムズ<6597>27年6月期に営業益率10%へ、科学計算ソフト拡大
・TOPPAN<7911>ルワンダでBPO買収、アフリカ事業拡大
・住友化学<4005>欧農薬で攻勢、2社を完全子会社化


☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・10年国債入札

<海外>
・特になし <ST>

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