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銘柄/投資戦略 2025/03/04 12:05 一覧へ

TOKAI Research Memo(5):2025年3月期業績は3期ぶりに過去最高益更新へ

*12:05JST TOKAI Research Memo(5):2025年3月期業績は3期ぶりに過去最高益更新へ ■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績見通しは、売上高で前期比5.4%増の244,000百万円、営業利益で同3.2%増の16,000百万円、経常利益で同3.0%増の16,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.1%増の9,000百万円と期初計画を据え置いた。売上高は8期連続増収、各利益段階では3期ぶりに過去最高益更新を見込む。

法人向け情報通信事業や建築設備不動産事業の利益が会社計画をやや下回りそうなほか、2月下旬から3月にかけて平均気温が高く推移しガス販売量が伸び悩んだとしても、第3四半期までの上振れ分で吸収できる範囲内であり、計画達成は可能と見られる。なお、継続取引顧客件数については前期末比94千件増の3,452千件を目指している。第3四半期までの進捗状況はやや遅れ気味となっているが、今後のM&Aの動向次第となる。

(1) エネルギー事業
エネルギー事業は売上高で前期比2%程度の増加、営業利益で同1%程度の増加を見込んでいたが、第3四半期までの進捗状況から上振れする可能性が高い。LPガス事業の顧客件数は前期末比50千件増加の828千件の計画に対して、第3四半期末で808千件とやや進捗は遅れ気味となっているが、第4四半期の動向次第となる。2026年3月期以降は顧客獲得競争が一段と激化し、経営体力のない中小零細事業者や中堅企業が淘汰され大手企業の寡占化が進むと見られる。M&Aの成約まで時間がかかるケースが多いものの、今後数年間は同社にとってM&Aによるシェア拡大の好機になると弊社では見ている。

また、同社は営業エリアを拡大することでも顧客基盤の拡大を目指しており、2024年8月に鹿児島市にグループとして初の事業拠点を開設した。2026年3月期までにさらに5拠点を開設する計画で、進出エリアでの新規開拓やM&A・商圏買取を進めることで顧客基盤を拡大する戦略だ。

(2) 情報通信事業
情報通信事業は売上高で前期比7%程度の増加、営業利益で同5%程度の増加を見込んでいる。このうちコンシューマー向け事業については売上高で減収、営業利益で若干の増益を計画している。苦戦している「LIBMO」については、2025年1月下旬よりグループのCATV会社3社※で「LIBMO×CATVセット割」のサービスを開始するなど新たな顧客獲得ルートを強化することで、契約件数の増加を目指す。

※ (株)いちはらケーブルテレビ、厚木伊勢原ケーブルネットワーク(株)、東京ベイネットワーク(株)の3社。LIBMO1回線につき、月額220円(税込)を割引。順次、他のCATV会社でも展開していく予定。

一方、法人向け事業は売上高で前期比12%程度の増加、営業利益で同5%程度の増加を見込んでいたが、営業利益については人件費の増加もあって前期並みの水準に留まる見通しだ。ただ、クラウドサービスなどの需要は依然旺盛であり、今後もM&Aによる体制強化も図りながら事業拡大を推進していく方針だ。

(3) CATV事業
CATV事業は売上高で前期比3%程度の増加、営業利益で同横ばい水準となる見通し。顧客件数は通信サービスを中心に前期末比19千件増の計画に対して第3四半期まで順調に進んでおり、業績についても計画を達成する可能性が高い。

(4) 建築設備不動産事業
建築設備不動産事業は売上高で前期比20%程度の増加、営業利益で同10%程度の増加を計画していたが、前述のとおり苦戦している子会社があるため、計画をやや下回る見込みだ。ただ、東海エリアでM&Aしたグループ会社のリソースを共有しながら、一体となって大型案件の受注を獲得し事業規模を拡大する戦略であり、中期的な成長余地は大きい。

(5) アクア事業
アクア事業は売上高で前期比5%程度の増加、営業利益は人件費の増加や顧客獲得コストの増加により横ばい水準を見込んでいる。ただ、顧客件数は前期末比6千件増の計画に対して、第3四半期末で同20千件増と大幅に超過していることから、売上高・営業利益ともに計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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