バブル崩壊後の戻り高値更新後は利食い優勢に【クロージング】
*15:53JST バブル崩壊後の戻り高値更新後は利食い優勢に【クロージング】
20日の日経平均は反落。197.17円安の33388.03円(出来高概算14億2000万株)で取引を終えた。朝方は利食い優勢で始まったが、その後は指数インパクトの大きい値がさ株の上昇が指数をけん引する格好となり、日経平均は取引開始直後には一時33853.46円まで値を上げ、取引時間中としては、6月19日に記録したバブル崩壊後の戻り高値(33772.89円)を上回った。ただ、目先の目標達成感に加え、短期的な過熱感が意識され、その後は利益確定に伴う動きから前引けにかけて下落に転じた。後場も利食い優勢の流れのなか、33400円前後と日中の安値圏での推移が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、保険、鉱業、銀行、サービスの4業種が上昇。一方、輸送用機器、非鉄金属、ゴム製品、卸売、建設など29業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東京海上<8766>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、トヨタ<7203>、信越化<4063>が軟化した。
前週末の米国市場は、長期金利が低下傾向にあることから、ハイテク関連株中心に値を上げ、主要株価指数は小幅ながらに上昇した。日経平均は先週の大幅上昇に対する高値警戒感から利食い売りが先行したが売りは続かず、次第に値がさ株を中心に買い直されたほか、短期筋による先物買いも入り、日経平均の上げ幅は一時250円を超えた。しかし、前場取引終了後には、円相場が1ドル=148円台半ばへと円高に振れたため、自動車など輸出関連株が下げに転じたほか、エヌビディアの決算を控えていることもあり、利食いが入りやすい需給状況となった。
日経平均は一時的とはいえ、バブル崩壊後の戻り高値を更新したため、年末高に対する期待は高まっている。また、年初からの株価の上昇率を見ると、日経平均の良好なパフォーマンスが続いており、海外投資家の日本株買いは続く可能性が高いとみられる。また、本日から来月下旬にかけては配当の再投資が見込まれ、その規模は7兆円弱の資金が市場に還流してくるとみられ、需給面での下支えとなりそうだ。目先的には相場の過熱感を冷ます必要があるだけに、過熱を冷ます一服を交えての強いトレンドが期待されよう。
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