フィスコニュース

銘柄/投資戦略 2023/12/29 12:43 一覧へ

CRGHD Research Memo(3):人材派遣紹介事業、製造請負事業等を手掛ける(1)

*12:43JST CRGHD Research Memo(3):人材派遣紹介事業、製造請負事業等を手掛ける(1) ■事業概要

1. 事業内容
CRGホールディングス<7041>の主な事業は、(1) 人材派遣紹介事業、(2) 製造請負事業、(3) その他事業の3つである。2023年9月期の売上構成比は、人材派遣紹介事業が87.3%、製造請負事業が10.4%、その他事業が2.3%となっている。

(1) 人材派遣紹介事業
人材派遣紹介事業では、「労働者派遣事業」と「有料職業紹介事業」を行っている。

労働者派遣事業は、労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣スタッフの保護等に関する法律(労働者派遣法)に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行う事業で、クライアントからの幅広い人材ニーズに対応すべく派遣スタッフを募集・登録し、教育研修したうえで各企業へ派遣している。それぞれのグループ会社が個々の強みを生かし、様々な業種に対応したサービスを子会社ごとに提供している。また、少子高齢化による若年層の労働力不足への対応として、シニア層人材などの潜在労働力の提供を積極的に行っている。

一方、有料職業紹介事業は、職業安定法に基づき厚生労働大臣の許可を受けて行う事業で、求人企業と求職者との間での雇用関係の成立を斡旋している。

人材派遣紹介事業は、子会社のキャスティングロードとジョブスを中心に展開している。

(a) キャスティングロード
キャスティングロードは、同社グループの中核を担う事業会社であり、主にオフィスワークサポート事業(ホワイトカラー)に係る人材を登録型派遣として各クライアントに提供している。テレマーケティングなどを行うコールセンター派遣が中核であり、キャスティングロードの売上の大半を占めている。経験者を多数派遣することが可能であり、金融、教育分野など高度な知識が必要となる業種に対しても派遣を行っている。数多くのコーディネーターが、同社グループが独自開発した基幹システムを利用して迅速なマッチングを実現している。また、北海道から沖縄まで、国内の各地に拠点を有し、全国的な人材の提供が可能となっている。

さらに、キャスティングロードでは「ユニット型派遣」として、スーパーバイザー(管理者)とオペレーターをセットで紹介することも可能となっている。「ユニット型派遣」のメリットとしては、以下のようなものが挙げられる。

・スーパーバイザーからフォローを受けやすく、派遣スタッフの定着率が高くなる。
・派遣スタッフとともに働きながら現場管理・情報収集を行うスーパーバイザーが、クライアントである大手アウトソーサーから現就業先のほかの案件または別会社の案件の情報を得やすく、優先的に受注の打診を受けることができる。

受付・一般事務や秘書業務など幅広い事務業務に対応するオフィスワーク派遣は、簡単かつスピーディーなオンライン登録による人材の確保が可能となっている。また、成長企業のCXOや役員・部長・課長などのミドル・エグゼクティブ層をサーチ型で紹介するハイキャリアエージェントサービスも展開しており、ミドル・エグゼクティブの次のキャリア選びを支援するとともに、顧客企業の課題解決のサポートを行っている。

(b) ジョブス
ジョブスにおいては、各クライアントのニーズに応じた人材を提供しており、主に、下記のようなワークス事業(ブルーカラー)及びセールスサポート事業(オレンジカラー)並びにオフィスワークサポート事業(ホワイトカラー)の長期または短期派遣(登録型派遣)及び請負業務を行っている。豊富なスタッフ数により、短期から長期、1名から多人数、派遣から請負委託まで幅広い需要に対し柔軟に対応している。

具体的には、ワークス事業では、工場の製造ラインにおける組み立て・仕分け・検品、物流倉庫におけるピッキング・フォークリフト運転・ラベリング・荷積み、事務所移転における引越し補助・荷造り梱包・解包などである。セールスサポート事業では、クレジットカード加入促進、携帯電話及び付属品の販売促進業務などの販売・接客、各種イベントの企画・集客・運営管理などである。オフィスワークサポート事業では、オフィスワークにおけるテレマーケティング、一般・営業事務・受付などである。

人材派遣紹介事業においては、コールセンター向け派遣における新型コロナ特需がなくなり、反動により案件自体が減少している状況である。今後は、コールセンター向け派遣における新規顧客の開拓、派遣領域の拡充、常用型人材派遣の強化、ハイキャリア人材紹介サービスの強化、などの各種施策により売上の拡大と収益性の向上を図る方針だ。

(2) 製造請負事業
製造請負事業では、プロテクスにおいて、主に取引先メーカー及びその関連会社からのペットフード・ペット衛生用品など、ペット関連製品の製造請負及びその付随業務を行っている。取引先メーカー及びその関連会社の工場及び取引先のOEM先である国内4拠点(兵庫県、埼玉県、静岡県、香川県)において、工場内製造請負(製造ラインオペレーターなど)、工場内物流業務(フォークリフト業務など)、自社でSP倉庫※運営業務(保管貨物の入出庫管理など)、輸送業務を行っている。

※ストックポイント倉庫の略。配送のための一時保管を主とする物流の中継拠点のこと。


基本的に、取引先メーカーの生産計画に基づいた業務となるが、外部業者の位置付けでありながら、現場の改善活動などに関わる提案も行っている。取引先のニーズに幅広く対応することで、強固なリレーションを構築している。また、2023年9月には同社グループの主力事業である人材派遣業で培った全国ネットワーク、様々な業界業種における各種業務経験、グローバル人材を含めた人材の採用力、取引先との信頼関係などの営業・製造ノウハウを活用し、さらなる事業拡大を図るために各種製造業を行うことを決定している。派遣領域の請負化を推進するなかで、本格的に製造業へ着手する格好だ。まずは、既存取引先であるユニ・チャーム<8113>の製造を受託しながら、中長期的には取引先の拡充と業容の拡大を図り、新たな収益基盤として確立する方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

<SI>

フィスコニュース

マーケット ニュース一覧