米国株高を背景に半導体関連株が幅広く買われる【クロージング】
*16:19JST 米国株高を背景に半導体関連株が幅広く買われる【クロージング】
12日の日経平均は大幅に3日続伸。558.15円高の32494.66円(出来高概算14億7000万株)と終値ベースでは9月27日以来約2週間ぶりに32000円台を回復して取引を終えた。前日の米国市場で長期金利が低下したことから、東京市場では半導体関連株を中心に値を上げる銘柄が増加した。また、円相場が1ドル=149円台前半まで円安が進み、輸出関連株が堅調なことも相場を支えた。米国では9月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、次第に模様眺めムードが広がる場面もあったものの、海外投資家とみられる買いが継続しているなか、日経平均は高値引けとなった。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、電気機器、機械、輸送用機器、石油石炭など28業種が上昇。一方、鉱業、パルプ紙、海運など5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、TDK<6762>、信越化<4063>が堅調だった半面、テルモ<4543>、KDDI<9433>、オリンパス<7733>が軟調だった。
前日の米国市場は、9月の米卸売物価指数(PPI)は市場予想を上回ったものの、前月から伸びが鈍化したため、米長期金利が連日で低下した。これを受け、株式市場では主要株価指数が続伸。東京市場も東エレク、アドバンテスなど値がさ株を中心に値を上げる銘柄が増加し、日経平均の上げ幅は500円を超えた。また、時間外取引で米国株価指数先物が堅調に推移しているほか、上海や香港などアジア市場がしっかりしていることもリスク選好ムードを高める要因につながったとみられる。
日経平均は9月15日の高値(33634.31円)から10月4日の安値(30487.67円)までの下げ幅の半値戻しを達成したことから、全値戻しも期待できると話す向きも出始めるなど、投資家に強気姿勢が広がりつつある。ただ、前日、本日とも相場上昇の主因は米長期金利の低下が引き金になっているだけに、米国のインフレ鎮静化の進展度合いが最大の関心事で、今夜発表の米CPIの結果が注目されている。CPIが想定外に大きく上昇するなら、再び利上げ長期化観測が台頭し、世界的に株価波乱が起こる可能性も残るだけに警戒が必要だろう。
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