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銘柄/投資戦略 2024/12/12 15:35 一覧へ

D&Mカンパニー Research Memo(5):F&Iサービスが順調、C&Brサービスは大型物販案件により増収(2)

*15:35JST D&Mカンパニー Research Memo(5):F&Iサービスが順調、C&Brサービスは大型物販案件により増収(2) ■D&M カンパニー<189A>の業績動向

2. サービス別の業績状況
(1) F&Iサービス
2025年5月期第1四半期の売上高は前年同期比31.2%増の188百万円、売上総利益は同35.5%増の129百万円となり、売上総利益率は68.6%と同2.2ポイント向上した。同社にとって顧客紹介の主要な窓口である会計事務所や金融機関、医療コンサル関係者への積極的な営業活動により、債権買取社数は前期末比3社増加と順調に推移した。一方で既存取組案件の見直しを行ったことにより、債権買取残高は前期末比7.6%減の6,917百万円となった。現時点で採算性が相対的に悪化している債権や、取引先の信用状況から取引継続が困難と判断した債権について、契約内容を見直した。2025年5月期第2四半期も既存取組案件の見直しを継続するとともに、目標どおり債権買取残高を伸長させる方針だ。

ファクタリングの採算性向上に向けては、診療・介護報酬請求行為が完了している確定債権だけでなく、高い買取手数料率の設定が可能な将来債権(医療機関や介護施設が事業を継続することで将来発生する見込みの診療・介護報酬債権)に対するファクタリングを含めた長期ファクタリングに注力している。同社には金融機関出身の従業員が多く、高度な与信管理のノウハウを保有しており、信用リスクの低減を図りつつ収益性の高い案件を発掘する。なお、ファクタリング期間は1年以上の長期に及ぶことが多く1年更新契約としている。契約更新時に取引顧客のリスク状況と採算面を照らし合わせ、必要に応じて買取手数料率を引き上げる等の交渉を行い、妥結困難な場合は安易に妥協せず、場合によっては、他のファクタリング事業者を紹介して撤退する等の対策を講じている。債権買取残高というストック資産を採算面及び信用面で良質な状態に保ちながら増加させる方針を採っていることから、取組案件見直しの影響が一時的なことはもとより、今後の成長に大きく寄与する可能性が高いと弊社では見ている。

(2) C&Brサービス
2025年5月期第1四半期の売上高は前年同期比101.2%増の193百万円、売上総利益は同10.9%減の45百万円となり、売上総利益率は23.7%と同29.9ポイント低下した。売上総利益率が大きく低下した理由は、採算性の低い医療機関向け大型医療機器の物販である。これにより大きく増収となったものの、粗利益率は低下した。同サービスでは、主力の医療機関や介護施設等に対するコンサルティングサービスを展開する過程で物販ニーズに直面することがあり、その場合は直接売主として顧客に物販する。ほかにも、医療機関や介護施設向け設備工事の受注や、医療・介護関係の物品販売について、顧客ニーズに応じて積極的に対応していく方針だ。今後は物販の増加で売上面はもとより、規模の拡大で利益面への貢献も期待される。実際、2025年5月期第1四半期の同サービスの売上高は、全体売上の43.8%(前年同期比12.4ポイント増)と主力のF&Iサービスの42.7%(同4.1ポイント減)を超えた。コンサルティングでは、ファクタリングを接点として取引を開始した顧客の抱える課題に向き合い、事業・組織改革等の解決を図るなか、解決方法の1つとしてM&Aを仲介するなどの収益機会もある。コンサルティングという形で顧客需要に沿った多様なサービスを展開し、顧客との取引拡大を担うポイントとなることで、今後の収益拡大に期待がかかる。

(3) HR&OSサービス
2025年5月期第1四半期の売上高は前年同期比10.5%減の59百万円、売上総利益は同5.8%減の34百万円となり、売上総利益率は58.3%と同2.9ポイント改善した。減収要因は、医療機関や介護施設に対する経営人材やマネジメントスタッフ及び事務スタッフなどを派遣するサービスの売上の減少で、代わって事務や経理のアウトソーシングや外国人就労支援としての人材紹介に注力して売上を確保する施策を進めていることによる。一方、外国人就労支援の人材紹介事業は、他社からの紹介を通さない直接取引の割合が増加したことにより、売上総利益率の改善に寄与した。外国人就労支援は今後も成長が見込まれ、同社は今後も強化する。アウトソーシングサービスについては、経理・人事業務のシェアードサービス※化支援サービス提供の準備を進めており、第2四半期以降にサービス展開を始めるべく準備を進めた。

※ 複数のグループ組織からなる企業が間接部門における業務を1ヶ所に集約させ、業務効率化やコスト削減を狙う企業改革を指す。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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