フォーシーズ Research Memo(7):既存事業の成長と同時に3本の新規事業を柱とした事業基盤拡大を目指す(1)
*11:47JST フォーシーズ Research Memo(7):既存事業の成長と同時に3本の新規事業を柱とした事業基盤拡大を目指す(1)
■フォーシーズHD<3726>の成長戦略
1. 中期経営計画(2026-2030)
同社は2025年9月期までに主要事業の黒字化を実現したものの、積極的な事業投資の実施により全社ベースでの完全黒字化には至らなかった。この状況を踏まえ、新たな中期経営計画では成長投資の成果を収益として回収するフェーズへ移行し、2030年に向けた持続的な成長の実現を目指している。成長戦略としては、通販事業、卸売事業、リテール事業を土台としながら、「Web3.0事業」「DENBA事業」「再生可能エネルギー事業」の3つを新たな成長の柱として育成する方針である。Web3.0事業では第三者発行トークンの活用や新たな経済圏の創出を目指し、DENBA事業ではDENBA JAPANとの資本業務提携を活用しながら睡眠に特化した次世代空間の展開を進める。再生可能エネルギー事業では太陽光発電や蓄電池に加え、将来的にはバイオマスなど新エネルギー分野への展開も視野に入れている。また、同社は既存事業と新規事業の相乗効果を重視している。既存事業についてはiiyの買収などを通じて収益力の回復を進めており、今後もグループの安定収益基盤として成長を支える役割を担う。一方で、新規事業を既存事業の顧客基盤や販売チャネルと組み合わせることで成長スピードを高め、事業ポートフォリオの多様化を図る。業績面では、2026年9月期予想の売上高3,541百万円、営業利益161百万円からスタートし、2030年9月期には売上高10,037百万円、営業利益816百万円を目指している。売上高は約2.8倍、営業利益は約5倍への拡大を計画しており、既存事業の成長に加えて新規事業の収益化が成長戦略の重要な前提となっている。また、2030年には時価総額200億円、配当利回り10%の達成を目標に掲げており、事業成長と株主還元の両立を目指している点も注目される。
2. セグメント別戦略
同社は中期経営計画において、通販事業及び卸売事業を成長の基盤事業として位置付ける一方、再生可能エネルギー事業、Web3.0事業、DENBA事業を新たな成長ドライバーとして育成する方針である。既存事業が安定的な収益を創出し、そのキャッシュフローを新規事業へ投下することで事業ポートフォリオの多角化を進める戦略であり、セグメント別の戦略は以下のとおりである。
(1) 通販事業
通販事業は、引き続きグループの中核事業として位置付けられている。2030年9月期には売上高5,097百万円、営業利益663百万円を計画しており、高利益率のDENBA商品の販売拡大やiiyによる継続的な商品開発が成長をけん引する見通しである。特にiiyについては2028年9月期に売上高1,000百万円、営業利益80百万円を計画しており、グループ成長の重要なドライバーとして期待されている。今後はSNSを活用した認知拡大、自社サイト及びECモールでの販売強化に加え、DENBA商品の販売拡大によって収益基盤を強化する方針である。
(2) 卸売事業
卸売事業では、化粧品、健康食品、アロマ関連商品の国内外への卸販売に加え、催事やイベントを通じた直接販売も展開している。主力ブランドである「Cure」を中心とした高いブランド認知度に加え、タイ、台湾、インドネシアなどアジア圏における販売ネットワークが強みである。また、DENBA商品の取り扱い開始により、美容・健康領域に加えて睡眠やコンディショニング領域まで提案範囲を拡大している。
国内ではドラッグストアが化粧品流通の主要チャネルであることから、新商品の継続投入による販路拡大を進めるほか、アパレル商品の展開やタレントを活用した認知度向上にも取り組む。一方、海外ではKOLを活用したマーケティング強化や中国市場の開拓を推進し、アジア圏を中心としたブランド浸透を図るほか、DENBA商品の販売強化による収益性向上も見込んでいる。中期経営計画では、2026年9月期予想の売上高1,042百万円、営業利益277百万円から、2030年9月期には売上高3,096百万円、営業利益898百万円への拡大を計画している。国内外における販路拡大とブランド力向上を通じて、通販事業と並ぶ収益の柱として成長を目指している。
(3) 再生可能エネルギー事業
再生可能エネルギー事業では、これまで蓄積してきた事業ノウハウや法規制への知見を活用しながら、太陽光発電所及び系統用蓄電所の開発・売買を継続する。また、海外大手バッテリーメーカーや国内企業との連携を検討するとともに、シンエネルギー開発との提携を通じてバイオマス分野など新エネルギー市場の開拓も進めている。さらに、Web3.0技術を活用した太陽光・系統用蓄電池連携負担金予測システムとの連携による新たな付加価値創出も計画している。中期経営計画では成長事業として位置付けられており、2030年9月期予想は売上高514百万円、営業利益51百万円としている。既存の太陽光発電及び蓄電池関連事業を基盤としながら、提携企業との協業を通じて事業領域を拡大し、中長期的な収益成長を実現する方針である。
(4) リテール事業
リテール事業は、同社が掲げる中長期成長戦略の象徴的な事業と位置付けられる。2030年9月期には売上高1,031百万円、営業利益103百万円を計画しており、既存のアロマ事業における不採算店舗の見直しと並行して、睡眠関連市場である「スリープテック」分野への本格参入を進める。フランチャイズ展開も検討しており、従来の店舗ビジネスとは異なる成長モデルの構築を目指している。
リテール事業では、DENBAラウンジへの業態転換を成長戦略の中核に据えている。DENBA事業は、DENBA JAPANとの資本業務提携を軸に展開する新たな成長戦略の中核である。同社はDENBA JAPANが有する特許技術を活用した商品の販売に加え、既存リテール店舗の「DENBAラウンジ」への転換を進めている。通販、卸売、リテールの各チャネルを活用できることに加え、既存顧客基盤を有する点が同社の強みである。市場面ではスリープテック市場やセルフヘルスケア市場の拡大が追い風となるほか、DENBA技術に対して大手企業が資本参加していることも認知度向上につながると考えられる。同社はDENBAラウンジを「健康と美容のトータルケアを提供する次世代体験型空間」と位置付けており、AROMA BLOOMとの融合による差別化を図る。今後は既存店舗の業態転換、直営店の拡大、フランチャイズ展開、サブスクリプションモデルの強化を進める計画である。2026年には直営店3店舗体制を想定し、2030年には直営店8店舗、フランチャイズ10店舗以上への拡大を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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