来週の相場で注目すべき3つのポイント:中東情勢、日米首脳会談、各国金融政策決定会合
*15:20JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:中東情勢、日米首脳会談、各国金融政策決定会合
■株式相場見通し
予想レンジ:上限55000円-下限52900円
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比119.38ドル安の46558.47ドル、ナスダックは同206.62ポイント安の22105.36で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比460円安の52910円。コア個人消費支出価格(PCE)指数の加速で年内利下げ期待が後退したほか、ホルムズ海峡の閉鎖長期化観測で原油価格が上昇したことも売り材料視された。
NY原油先物価格は再度100ドル台目前の水準にまで上昇。原油の中東輸入依存度が高い日本では、ガソリン価格高騰の事態にも見舞われている。物流コスト上昇の影響は、26年3月期の企業収益にも影響を及ぼす可能性があろう。加えて、今後は幅広い産業でコスト高の影響が想定され、原油相場の上昇が続くほど、個人消費の悪化が深刻さを強めていくことになる。戦争の終結が見いだせない限りは原油相場の落ち着きも期待しにくく、当面は状況を見守る必要性が高いように見られる。
一方、米国の行動次第では急速な状況の改善も予想されるため、ショートを積極化させるにはリスクが大きいと考えておきたい。中間選挙を控える中、ガソリン価格上昇によってトランプ氏支持の急速な低下も想定されるため、政権内で「米国の勝利」の定義が大きく絞り込まれる可能性があるだろう。仮にイランへの攻撃が終結されれば、原油価格の落ち着きには多くの時間を要しないと考えられる。この際にはあらためて、海外投資家の日本株買いの動きが積極化されてくる見通しだ。
来週は中銀ウィークとなるが、イラン戦争の行方に関心が集中する中、市場の注目度は高まりにくいだろう。FOMCやECB理事会では、原油高に伴うインフレ率上昇への警戒からも政策金利の据え置きが想定される。日銀も、インフレによる景気悪化への懸念から、政策金利の引き上げは当面先送りされる公算。原油価格の先行き不確実性が高い中では、各国の総裁発言を受けて政策変更のタイミングを見極めていくことも難しそうだ。なお、国内では18日に春闘集中回答日を迎えるが、日銀の利上げ観測が高まりにくい中では却って、ベアが抑制されれば個人消費の先行きを警戒する流れにもつながっていこう。
19日には日米首脳会談が予定され、対米投融資に絡む分野の銘柄群に期待が盛り上がる場面は到来しよう。ただし、足下ではトランプ政権からの無理難題に対する警戒感も強まっており、全体相場のラリーにはつながりにくそうだ。ほか、経済指標では18日に米国の2月生産者物価指数(PPI)が発表される。1月は市場予想を上振れ、関税転嫁が進んでいることが示唆されている。上振れ基調が続けば、利下げ時期の先送りが意識されてこよう。半導体関連ではエヌビディアのカンファレンスが材料視されるほか、マイクロンの決算発表なども注目される。米国決算では株価調整が続くアクセンチュアにも注目。
■為替市場見通し
来週のドル・円は上昇一服となる可能性がある。米国とイスラエルによるイラン攻撃は続いており、中東情勢の不透明感を背景に原油相場は高騰し、インフレ圧力の高まりを想定したドル買いが観測されている。3月17-18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策金利据え置きを市場は織り込み済み。連邦準備制度理事会(FRB)による利下げがあるとすれば9月以降との見方が増えているが、今回の会合で金融当局が金融緩和に慎重な姿勢であることが確認された場合は、ドル買い要因となりそうだ。一方、日本銀行は足下のインフレ指標の鈍化が目立っているため、金融政策決定会合では政策維持を決定しそうだ。賃金交渉も見極めたい方針とみられる。
ただ、日本の通貨当局は物価高につながる過度な円安を引き続き懸念しており、節目とされている1ドル=160円近辺で円安進行を抑えるための為替介入を行う可能性は残されている。植田日銀総裁の会見で、円安はインフレ見通しに影響を与えるとの見解が提示されることも予想され、リスク選好的な米ドル買い・円売りは160円手前で多少弱まる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
3月16日(月):米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)、米・鉱工業生産指数(2月)、米・NAHB住宅市場指数(3月)、中・新築住宅価格(2月)、中・中古住宅価格(2月)、中・小売売上高(2月)、中・鉱工業生産指数(2月)、中・固定資産投資(都市部)(2月)、中・調査失業率(2月)、中・不動産投資(2月)、中・住宅不動産販売(2月)、加・消費者物価指数(2月)、NVIDIA GTC AIカンファレンス&エキスポ(19日まで)など
3月17日(火):第3次産業活動指数(1月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(18日まで)、米・景気先行指数(2月)、米・中古住宅販売成約指数(2月)、独・ZEW期待指数(3月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
3月18日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目)、春闘、主要企業の集中回答日、貿易収支(2月)、輸出(2月)、輸入(2月)、資金循環統計速報(10-12月、日本銀行)、首都圏新築分譲マンション(2月)、訪日外客数(2月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見、米・生産者物価コア指数(2月)、米・製造業受注(1月)、米・耐久財受注(1月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(1月)、欧・ユーロ圏CPI(2月)、NZ・経常収支(10-12月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、南ア・消費者物価指数(2月)など
3月19日(木):日銀政策委員会・金融政策決定会合(2日目)、終了後決定内容発表、植田日銀総裁が会見、日米首脳会談、コア機械受注(1月)、対外・対内証券投資(先週)、鉱工業生産(1月)、設備稼働率(1月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(3月)、米・卸売在庫(1月)、米・新築住宅販売件数(1月)、欧首脳会議、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見、中・SWIFTグローバル元支払(2月)、英・ILO失業率(11-1月)、英・失業率(2月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、NZ・GDP速報(10-12月)、豪・失業率(2月)、スイス・中央銀行が政策金利発表など
3月20日(金・祝):株式市場は祝日のため休場(春分の日)、中・1年物ローンプライムレート(LPR)、中・5年物ローンプライムレート(LPR)、欧・経常収支(1月)、欧・貿易収支(1月)、NZ・貿易収支(2月)、加・小売売上高(1月)、露・ロシア中央銀行が政策金利発表など
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