米国株式市場見通し:地政学リスクが重しとなり主要3指数の調整は継続か
*14:27JST 米国株式市場見通し:地政学リスクが重しとなり主要3指数の調整は継続か
来週の米国株は、地政学リスクが意識されるなか、週末に雇用統計が発表されることから、様子見ムードが強まり積極的な売買は手控えられそうだ。米経済見通しに対する不透明感が色濃くなっており、雇用統計など米経済指標に対する関心がより高まっている。また、今週末、トランプ大統領とゼレンスキー大統領が大統領執務室で激しい口論となり協定の署名や共同記者会見などが見送られる異例の事態となったことの影響も大きい。
週末の米国市場は主要3指数がそろって反発となったが、マクロン仏大統領は「侵略者はロシア」と述べるなどウクライナを支援する姿勢を再度表明しており、ウクライナや関税を巡り欧米関係がよりこじれると、リスクオフのムードは強まろう。投資家心理を示すVIXは、警戒感を示す20ポイントからやや低下したが19ポイントを維持している。警戒する水準ではないが、市場が米経済の見通しなどを楽観視していた1月とは、明らかに相場状況は異なっている。
2月のナスダックの弱材料となったエヌビディアの株価は124ドル水準と2月3日安値の116ドル水準手前で下げ止まった。ただ、トランプ政権は自国の半導体規制を厳格化する案を検討する一方、主要同盟国にも中国の半導体産業への規制強化を迫っていて、不透明感が強いことから、エヌビディアの戻りも期待しにくい。様々な不透明要因が払しょくされない限り、主要3指数の調整局面は長期化しそうだ。
経済指標は、3日に2月製造業PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、5日に2月ADP雇用者数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、1月製造業新規受注、2月ISMサービス業景気指数、1月耐久財受注(確報値)、週次原油在庫、6日に週次新規失業保険申請件数、1月貿易収支、卸売在庫(確報値)、7日に2月非農業部門雇用者数、失業率、平均時給などが予定されている。
主要企業決算は、3日にニコラ、オタク、ボイジャー・セラピューティクス、4日にベスト・バイ、ターゲット、クラウドストライク、ボックス、ノードストロム、5日にキャンベル・スープ、フット・ロッカー、マイクロビジョン、アバクロンビー&フィッチ、エル・ブランズ、6日にメーシーズ、クローガー、ブロードコム、コストコ・ホールセール、スミス&ウェッソン、3Dシステムズなどが予定されている。
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