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銘柄/投資戦略 2024/06/05 13:56 一覧へ

GセブンHD Research Memo(6):2025年3月期は2ケタ増収、過去最高益を更新する見通し(1)

*13:56JST GセブンHD Research Memo(6):2025年3月期は2ケタ増収、過去最高益を更新する見通し(1) ■今後の見通し

1. 2025年3月期の業績見通し
G-7ホールディングス<7508>の2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の220,000百万円、営業利益で同18.5%増の8,200百万円、経常利益で同16.1%増の8,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.2%増の5,600百万円と増収増益となり、各利益ともに3期ぶりに過去最高を更新する見通しだ。

けん引役となるのは業務スーパー事業だが、前期に苦戦した車関連事業も含めてすべての事業で増収増益(赤字事業は損失縮小)を目指す。人件費の増加のほか政府による電気料金の補助金制度の終了で(2024年5月使用分まで)、光熱費が再びコスト増要因となる可能性もあるが、こうしたコスト増を増収効果や売上総利益率の改善、業務効率向上による経費抑制などで吸収していく。

新規出店は27店舗を計画している。内訳は「業務スーパー」と「お肉のてらばやし」で各12店舗、「カーブス」で2店舗、「バイクワールド」で1店舗となる。「業務スーパー」については条件に適う物件が見つかれば、積極的に出店する意向だ。

なお、同社は5月13日付で業務スーパー事業のさらなる拡大に向けて、首都圏で「業務スーパー」15店舗(東京3店舗、埼玉9店舗、千葉2店舗、神奈川1店舗)を運営するボン・サンテの全株式を親会社のエルアイイーエイチ<5856>から5,600百万円※で取得し、子会社化することを発表した。ボン・サンテは業務スーパー事業のほか食肉事業を展開しているが、食肉事業は分社化し業務スーパー事業のみを譲受する。2023年3月期のボン・サンテの業績は売上高で14,464百万円、営業利益で14百万円、このうち食肉事業は売上高で1,996百万円、利益は損失だったと見られる。株式取得日は2024年7月1日を予定しており、第2四半期から連結業績に加わる見通しだ。のれんやのれんの償却期間については決まっていないものの、2025年3月期の業績計画にはボン・サンテの業績を織り込んでいる。概算では売上高で100億円強の上乗せ要因になるものと推察される。同社では今回の子会社化によって、関東の店舗網が88店舗まで拡大することになり、業務スーパー事業において多くのシナジー効果が期待できると見ている。

※取得価額については、会社分割による承継対象資産の精査等により変動する可能性がある。


(1) 車関連事業
車関連事業のうち、「オートバックス」は新規出店の予定がなく、既存店の売上増と生産性向上に注力することで増収増益を目指す。タイヤの販売動向が鍵を握るが、2025年3月期は平年並みの降雪状況を想定し、冬用タイヤの販売が回復することを前提としている。ちなみに、オートバックスグループ全体の国内既存店売上高の前提は前期比3.5%増となっており、ほぼ同様の成長を見込んでいる。

なお、2024年4月からオートバックス本部がフランチャイズチェーンパッケージ及びロイヤリティ料率を変更することを発表した。具体的には、本部からFC店舗への商品の卸売価格を引き下げるとともに、小売に付随するロイヤリティ料率を1%から9%に引き上げることとした。また、顧客に全国均質の高品質なサービスを提供することを目的に、全店舗におけるDX促進や会員アプリなど統一ツールの導入を進めることにしている。これらにより、本部とFC企業が真に一体となって顧客接点を増やし、顧客視点での商品・サービスの開発・提供を行うことで顧客支持を獲得、市場シェアを拡大することで成長を図る戦略だ。同社にとっては、ロイヤリティ費用が増加することになるが、同程度分の仕入コスト低減が見込まれており、業績への影響は中立と見ている。中期的にはオートバックスの商品力やサービスの向上によって、店舗売上高の拡大につながるものと期待される。

G-7バイクワールドは増収増益を計画している。既述のとおり、既存店の月次売上高は2024年3月にプラスに転じるなど底打ち感が出てきており、最悪期は脱したものと見られる。今後、好天気が続けばバイクのツーリング需要回復により、バイク用品の売上も増加することが期待される。なお、新規出店として1店舗を計画しているがまだ物件については確定していない。

海外事業のうちマレーシアの「バイクワールド」は増収増益の見通し。「オートバックス」については、2025年3月期の黒字化を目指しているが状況としてはまだ伸び悩みの状況が続いており、前期並みの水準が続く可能性もある。一方、自動車輸出販売事業は円安を追い風にして増収増益が続く見通しで、さらなる拡大に向けて海外拠点の開設も検討している模様だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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