ショーエイコーポレーション---企画力と一気通貫体制を強みに、利益体質への転換が進む
*10:11JST ショーエイコーポレーション---企画力と一気通貫体制を強みに、利益体質への転換が進む
ショーエイコーポレーション<9385>は、フィルムパッケージ(軟包材)製造を祖業とする企業で、現在ではパッケージ分野にとどまらず、販促品や雑貨の企画開発、アセンブリ(組立)、発送代行までを一体で提供する事業モデルを構築している。特定製品や特定業界にとどまらず、顧客の課題に応じて柔軟に事業内容を変化させてきた点が同社の大きな特徴だ。単純な製造業というよりも、企画力と実行力を併せ持つ「課題解決型企業」と位置付けられる。
事業は「営業促進支援事業」と「商品販売事業」の2セグメントで構成される。営業促進支援事業では、OEM・ODMを中心に、販促品の企画開発、生産支援、発送代行までを一気通貫で手がけている。営業担当が顧客から課題や要望を吸い上げ、それを社内の企画・開発部門に持ち帰り、製造・調達・物流までを短期間で組み立てる体制が整っている点が強みだ。中国、タイなどに構築された調達ネットワークを活用することで、コスト競争力と供給安定性の両立も図っている。
商品販売事業では、100円ショップやドラッグストアなどの小売業向けに、生活雑貨や消耗品を企画・販売している。近年は環境対応型商品や、消臭袋・鮮度保持袋といった機能性の高いポリエチレン製品が堅調に推移している。一方で、為替変動や原材料価格、人件費の上昇といった外部環境の変化を受け、低利益率商品の縮小や仕様変更を進め、利益率を重視した商品構成へと転換を進めている点が特徴だ。
2026年3月期第3四半期累計の業績は、売上高143.9億円(前年同期比0.1%増)と前年同期並みにとどまったものの、売上総利益は35.9億円(同10.8%増)、営業利益は10.7億円(同56.8%増)と大幅増益を達成した。原価低減や高付加価値商品の拡販、複合販売の推進が奏功し、営業利益・経常利益・純利益はいずれも過去最高水準を更新した。営業利益率は7.5%まで改善し、収益構造の質的向上が明確となっている。
営業促進支援事業は売上高75.7億円(前年同期比5.9%増)、と堅調に推移した。販促分野では大口案件減少の影響があったが、OEM分野で自社工場を活用した雑貨・化粧品関連のピロー包装やアセンブリ業務が拡大し、利益面で大きく貢献した。商品販売事業は売上高68.8億円と減収となったが、サプライヤー見直しや仕様変更による原価改善が進み、セグメント利益は前年同期を上回った。
営業利益増加の主因は売上総利益の拡大によるものだ。加えて、人件費や運賃負担の減少も利益改善に寄与した。一方で、基幹システム更新に伴う減価償却費や各種手数料の増加が一部押し下げ要因となったが、全体としては大幅な増益を確保している。
通期業績予想は売上高205.4億円(前期比8.0%増)、営業利益14.0億円(同87.4%増)を計画している。第3四半期終了時点の進捗率は売上高70.1%、営業利益76.7%と順調であり、計画達成に向けて順調に推移している。通期予想達成に向け、収益性重視の案件選別と原価改善の継続が鍵となる。
株主還元については、期末配当を1株35円とし、前期から15円の増配を予定している。安定的な利益成長と継続的な株主還元の両立を基本方針とし、企業価値向上を目指す姿勢がうかがえる。個人株主が中心の株主構成を踏まえ、今後は情報発信の強化による投資家層拡大にも取り組む方針だ。
同社は、急成長を志向する企業ではないが、足元では利益体質への転換が着実に進んでいる。企画力と一気通貫体制という独自性を活かし、安定した収益基盤を構築できるかが、今後の企業価値評価のポイントとなろう。
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