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市況・概要 2025/10/25 14:22 一覧へ

為替週間見通し:ドルは底堅い動きか、米追加利下げは織り込み済み

*14:22JST 為替週間見通し:ドルは底堅い動きか、米追加利下げは織り込み済み 【今週の概況】
■高市政権発足で円売り強まる

今週の米ドル・円は堅調推移。10月21日に行われた首相指名選挙で財政支出の拡大や金融緩和に前向きな自民党の高市総裁が選出されたことを受けて、リスク選好的な円売り・米ドル買いが活発となった。今月開催の日本銀行金融政策決定会合で政策金利の据え置きが決定される可能性が高いことも円売り材料となった。米連邦政府機関の一部閉鎖が続いており、年内2回の米追加利下げの可能性は高いものの、日経平均株価の上昇や原油先物の反発を意識して米ドル買い・円売りは後退しなかった。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談が10月30日に行われることが正式に発表されたことも米ドル買い材料となったようだ。

24日のニューヨーク外為市場でドル・円は152円30銭まで下落後、153円02銭まで戻した。この日発表された米国の9月消費者物価コア指数(CPI)は市場予想を下回り、10月利下げが確実視されたことで米ドル売り・円買いが一時優勢となった。ただ、3%レベルのインフレはしばらく続くとの見方は多いことから、米長期金利は下げ渋り、米ドル売り・円買いは一服。米ドル・円は152円85銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:150円28銭-153円06銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い動きか、米追加利下げは織り込み済み

来週の米ドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は10月28-29日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ptの追加利下げを決定する公算だが、追加利下げが決まっても次回以降の金融政策をにらみリスク回避的なドル売り・円買いが拡大する可能性は低いとみられる。一方、日本銀行が10月29-30日開催の金融政策決定会合で追加利上げを見送れば、円売りがやや強まる見通し。10月21日に高市政権が正式に発足し、積極財政への期待感から目先的に株高・円安に振れやすい状況が続くとみられる。

なお、10月28日に予定されている日米首脳会談で貿易・通商、資源・エネルギー分野における新たな要求が米国側から提示された場合、内容次第ではリスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性があるとみられており、日米首脳会談で話し合われることについても注意が必要か。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(28-29日開催予定)
10月28-29日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の0.25pt引き下げが予想される。市場は織り込み済みでドル売りは限定的となり、次回以降の見通しが焦点となりそうだ。

【日本銀行金融政策決定会合】(29-30日開催予定)
日銀は10月29-30日に金融政策決定会合を開催し政策金利据え置きの公算。利上げは12月もしくは来年1月が主要シナリオになりつつあり、政策決定後は円売りが強まる可能性がある。

予想レンジ:151円50銭-154円50銭


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