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銘柄/投資戦略 2025/02/19 13:03 一覧へ

propetec Research Memo(3):新たにプレミアムマンションの買取再販も開始(1)

*13:03JST propetec Research Memo(3):新たにプレミアムマンションの買取再販も開始(1) ■property technologies<5527>の事業概要

2. 中古住宅再生事業
(1) マンション買取再販事業
マンション買取再販事業のリノベーションブランド「FURVAL」は、厳選された家具や生活必需品の家電、調理器具などを、デザインや機能、サイズなどリノベーション空間にあわせて取り揃え、家具や家電を含めた価格で販売しており、顧客の時間的労力や金銭的な負担を軽減するサービスである。なお、ホームネットでの購入者に限定して、住宅設備故障の際に10年間何度でも利用できるアフターサービス「住設あんしんサポート」を提供している。

マンション買取再販事業の特徴は、北海道から沖縄まで地方の主要都市部で、30~40代の一次取得者層をターゲットに、リアルなネットワークとテクノロジーを駆使して事業展開している点にある。ターゲットが一次取得者層であることのメリットは、子供の成長など顧客のライフサイクルからニーズが明確なうえ安定した実需が期待できることにある。一方、一次取得者層にとっても、東京都の中古マンション平均価格が61百万円であるのに対して同社は35百万円と、一般的な借入期間で一定の金利上昇があったとしても住宅ローンの返済額が家賃以下になるという値ごろ感がある。また、地方圏の比率が同業他社は4割程度だが、同社は8割と高く地方に強いこともメリットである。なぜなら、地方圏は物件密度が薄く営業効率が低いが、築30年以上の物件が増加しているにもかかわらず競争が緩やかなため、同社のような広範な営業ネットワークを生かした効率的な情報交換によって、収益源にすることができるからだ。仕入については、近年、単に安くて利益が出る物件を探すのではなく、豊富なデータベースを背景に顧客満足の高い物件を地域ごとに選別することを営業1人ひとりに徹底する厳選仕入を行っている。これにより、高収益で高回転の物件比率が高まるだけでなく、長期在庫※のリスクも減らすことができる。

※ 不動産は個別性が強いため、同一エリアの競合物件などを要因に在庫保有期間が長期化することがあり、その場合、時間の経過とともに価格が下がることが多い。なお、同社の仕入決済から販売決済までの平均期間は7~8ヶ月である。

従来のスタンダードマンションに対して、高額のプレミアムマンションの買取再販事業も開始した。同事業では、富裕層の実需や資産運用をターゲットにした1億円以上の、例えば東京タワーが窓の真ん中に見え、将来遮るものが建たない眺望のよいタワーマンションの1室など、非常に差別化のきいた希少な物件を厳選している。スタンダードマンションとはターゲットが異なるため、専用サイト「眺望マンション HOMENET」で紹介しており、仕入要員も別になっている。また、単価はもちろん、希少性が非常に高いため採算も高いようだ。2024年に入って構想を開始し、仕入が本格化したのが2024年11月期第3四半期、販売開始したのが第4四半期だから、できたての事業である。しかし、差別化ポイントが同業他社に比べて明確なため、顧客の引きは強く、銀行融資も良好で、すでに2025年11月期に販売する分の仕入は終えたようだ。スタンダードマンションは厳選仕入の強化により量的成長は緩やかとなっているが、プレミアムマンションの販売増が全体の成長を牽引する見通しである。

(2) iBuyerビジネス
不動産テックを活用する一部企業が、iBuyerという取引形態を掲げて事業を行っているが、販売に苦労していることが多いようだ。しかし、同社はリアルの不動産事業を展開しているため、販売に苦労することなくiBuyerビジネスを拡大している。その基盤となっているのが、2021年にスタートしたiBuyerプラットフォーム「KAITRY(カイトリー)」である。複雑な不動産の売買プロセスをオンラインで容易に実行できるうえ、査定から売却まで通常3ヶ月以上かかるところ、査定はAI査定によって最短5秒、販売(現金化)も同社が買い取れば最短3日と大きく短縮できるため、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)のなかでも、同社が同業他社を上回る業績を達成した要因の1つとなった。さらに、住みながら売りたい人にはセール&リースバック、新居を買ってから売りたい人には先日付買取保証、お得に売りたい人には共同投資型売却など様々なメニューを揃えており、ユーザーの住み替えニーズを後押ししている。

「KAITRY(カイトリー)」の利用が広がることで、個人の不動産売買の心理的ハードルが下がるため、将来的に住み替え市場が拡大し、同社が目指す「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることのできる未来に近づくと考えられる。そのため、ネット広告やTVCMの活用、仕入クロージングの体制強化、UI/UXなど基盤の強化を進めている。この結果、「KAITRY(カイトリー)」の認知度が向上し、仕入件数が毎月安定的に増加、コンバージョンの拡大にもつながってきた。なお、同社は直仕入のみならず直販売にも乗り出し、仲介会社とのコンフリクトが生じる可能性もあるが、同社が仲介会社のDXなど業務効率化を支援していること、同社の直接取引推進により住み替え市場自体の拡大が期待されることから、仲介会社にもメリットがあり、信頼関係は維持されると思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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