アイル Research Memo(9):2024年7月期通期の増収増益予想を据え置き、さらに上振れの可能性
*13:09JST アイル Research Memo(9):2024年7月期通期の増収増益予想を据え置き、さらに上振れの可能性
■今後の見通し
● 2024年7月期通期の業績見通し
アイル<3854>の2024年7月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が2023年7月期比6.1%増の16,900百万円、営業利益が12.8%増の4,000百万円、経常利益が12.8%増の4,026百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が8.5%増の2,683百万円としている。
全体の市況感として、2025年予定のWindows10サポート終了関連は特需ほどのインパクトはないが、人手不足深刻化などにより業務DXの需要は高水準に推移すると想定している。売上面では積極的な営業活動により、システムソリューション事業、Webソリューション事業とも成長を見込んでいる。重点施策として、システムソリューション事業では営業エリアの拡大や大手層向け大型プロジェクトのノウハウを蓄積する。パッケージ機能の強化により、対応業種やターゲット顧客規模の拡大なども推進する。Webソリューション事業では「CROSS MALL」既存顧客の「BACKYARD(TM)」への移行を推進し、既存顧客の移行完了後に「BACKYARD(TM)」の新規顧客開拓を推進する。また、EC消費行動の変化に対応し、サービス対象企業をEC業態から小売、製造、卸売業まで拡大し、市場で課題となっているボーダレスな業務管理の実現に向けて機能拡張を継続する。利益面では、積極的な人材投資(2024年4月の新卒入社は前年比12名増の63名、キャリア採用は15名~25名を計画)や開発・販促投資を継続するため販管費が増加するが、生産性向上の推進やストック売上総利益の拡大などで吸収する見込みだ。
なお増益率は前期に比べて鈍化する見込みとしているが、これは前期の大幅伸長の反動や不透明感、さらに「CROSS MALL」と「BACKYARD(TM)」の両基盤の並行稼働による一時的なコスト増加などを考慮したためであり、保守的な印象が強い。企業のDXニーズが一段と高まるなど事業環境が良好であること、上期の進捗率が売上高50.7%、営業利益56.0%、経常利益55.9%、親会社株主に帰属する当期純利益55.5%と順調であること、製販一体体制を中心とする利益向上施策の成果が加速していることなどを勘案すれば、会社予想は上振れの可能性が高いと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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