ハウスコム Research Memo(4):利益剰余金は順調に増加しており、財務上の健全性は引き続き高い
*13:04JST ハウスコム Research Memo(4):利益剰余金は順調に増加しており、財務上の健全性は引き続き高い
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
ハウスコム<3275>の2024年3月期末の財務状況は、親会社に帰属する当期純利益が410百万円と堅調に推移したことにより純資産の部の利益剰余金が287百万円増加した。利益剰余金は2019年3月期以降順調に増加しており、事業活動の結果としてしっかりと利益を積み上げてきたことが窺える。
自己資本比率が前期末比6.0ポイント増の66.9%へと上昇しているが、これは固定資産において持株会社体制への移行に伴う営業保証金の預入によって一時的に増加していた投資その他の資産が前期比で1,008百万円減少したことによる。また、流動比率と固定比率がそれぞれ245.5%、59.4%であり、長短の手元流動性にも全く問題がないと言える。キャッシュも5,228百万円としっかりと積み上がっており、財務上の健全性は高いと弊社は考える。
収益性に関しては、中長期的な経営戦略として掲げた『4つの施策』の推進によって、今後も回復傾向が続くものと弊社では見ている。ROAに関しては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受け、利益水準が下がるなかで積極的なIT投資を行ってきた結果として2023年3月期は一時的に落ち込んだが、これらの投資が実を結んできたことで2024年3月期からは改善に転じている。ROEに関してはコロナ禍以前の2020年3月期が10.8%と非常に高い数値を出していたことから、今後、利益水準が回復していくことで再び高まっていくことが予想される。
キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加等により営業活動によるキャッシュ・フローが84百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは持株会社制への移行に伴う営業保証金の回収に伴い907百万円の黒字となった。営業保証金の回収に伴う投資活動によるキャッシュ・フローの黒字分は短期借入れの返済1,000百万円に充てられており、それに伴って財務活動によるキャッシュ・フローが1,253百万円の赤字となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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