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市況・概要 2025/10/04 15:17 一覧へ

新興市場見通し:ムービン・ストラテジック・キャリア、ウリドキ、サイプレス・ホールディングスが上場

*15:17JST 新興市場見通し:ムービン・ストラテジック・キャリア、ウリドキ、サイプレス・ホールディングスが上場 ■個別銘柄の動向に左右され軟調

今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+0.91%だったのに対して、グロース市場指数は-4.17%、グロース市場250指数は-4.21%。日経平均株価は週初の配当権利落ち分を埋め、週末は800円を超える上昇で史上最高値を更新。一方、グロース指数、グロース250指数はバイオ株など個別銘柄の動向に左右され、軟調な推移となった。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで-4.06%だった。

時価総額上位銘柄では、サンバイオ<4529>の週間上昇率が34%を超えた。厚生労働省が10月2日、10月の薬事審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会における審議事項を公表したことが材料視された。16日に開催される予定の同部会において、「アクーゴ脳内移植用注」の承認期待が高まっている。一方で、Heartseed<219A>の週間下落率が50%を超えた。事業パートナーであったノボノルディスク・エーエスより、他家iPS細胞由来心筋球に関する治療プログラムに関する全世界を対象とする独占的技術提携・ライセンス契約について、契約を解消する旨の通知を受けたとの発表が嫌気された。また、先週に投資ファンドのハヤテインベストメントを率いる杉原行洋氏の買い増しを手掛かりに急伸したデータセクション<3905>は、資金の逃げ足が速く同23%超の下げとなった。

その他、デリバリーコンサルティング<9240>が週間で40%超の上昇。9月30日、日鉄ソリューションズ<2327>との資本業務提携を発表したことが材料視された。一方、ビジュアル・プロセッシング・ジャパン<334A>、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>、メドレックス<4586>、デジタリフト<9244>の下げが目立った。

今週のIPOは、9月29日に上場したソニーフィナンシャルグループ<8729>は公開価格(150円)を36.66%上回る205円で初値を付けたが、その後は4日続落で公開価格を下回った。10月3日に上場したオーバーラップホールディングス<414A>の初値は、公開価格(1650円)を7.1%下回る1533円となった。今後はコンテンツ事業における競争力や、将来的な収益性について、投資家がどう判断するかが注目されよう。

■出遅れ感のある中小型株の見直しが強まる可能性も

来週の新興市場は、方向感が見えにくい状況が続く中、個別銘柄の材料を手掛かりとした物色のほか、IPO銘柄に関心が向かいやすいだろう。また、主力の半導体や人工知能(AI)関連株に資金が集中しているが、物色対象に変化がみられてくる局面においては、相対的に出遅れ感のある中小型株の見直しが強まる可能性はありそうだ。決算では、note<5243>、エヌ・ピー・シー<6255>、Cocolive<137A>、メディ工房<3815>、モビルス<4370>、QPS研究所<5595>などの発表が予定されている。

来週は、6日にムービン・ストラテジック・キャリア<421A>が東証グロース、7日にウリドキ<418A>が名証ネクスト、8日にサイプレス・ホールディングス<428A>が東証スタンダードに上場する。投資家の注目度としては投資ファンドや金融機関といったプロフェッショナルファーム向けに人材紹介サービスを提供する、ムービン・ストラテジック・キャリアが高い。公開価格(2080円)での25年12月期予想PERは16.7倍と人材紹介企業としては割安感のある水準。初値は、公開価格を約20%上回る2500円と予想する。

なお、NE<441A>、クラシコ<442A>、ユーソナー<431A>、ファイントゥデイホールディングス<420A>の上場が承認された。


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