新興市場見通し:オーバーラップホールディングスが上場
*14:21JST 新興市場見通し:オーバーラップホールディングスが上場
■グロース市場は軟調な推移に
今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+0.68%だったのに対して、グロース市場指数は-1.15%、グロース市場250指数は-1.25%。日経平均株価は、ソフトバンクグループ<9984>が牽引する形で、25日には45800円台を回復する場面もみられた。週後半に半導体やAI関連株に売りが先行したが、円安や配当狙いの買いが支えた。一方で、グロース指数、グロース250指数は週初こそ買いが先行したが、その後は軟調な推移に。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで-2.70%だった。
時価総額上位銘柄では、データセクション<3905>の週間上昇率が30%を超えた。ハヤテマネジメントの杉原行洋氏が大株主に浮上したことが材料視された。経営陣との建設的な対話および支援を通じて企業価値向上を目指すとしている。FRONTEO<2158>は同17%超の上昇。米国でのライフサイエンスAI事業の展開を加速させるため、カリフォルニア州で開催される創薬国際展示会に初出展し講演を行うと発表した。一方で、Heartseed<219A>の下落率が14%超、アクセルスペースホールディングス<402A>、レナサイエンス<4889>はともに10%超の下げとなった。
その他、メドレックス<4586>が週間で86%超の上昇。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>と米国で共同開発してきたMRX5LBT(リドカインテープ剤)について、米国食品医薬品局(FDA)より、成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応として販売承認を取得したと発表した。一方、Institution for a Global Socie<4265>、Def consulting<4833>、イオレ<2334>の下げが目立った。
今週のIPOは、25日に上場したGMOコマース<410A>の初値は、公開価格(1180円)を80.6%上回る2131円となった。同日上場となったオリオンビール<409A>は、公開価格の約2.2倍となる1863円。26日上場のUNICONホールディングス<407A>の初値は、公開価格を30.7%上回る1385円となった。いずれも好スタートを切っているが、その後は軟化し公開価格を下回って終えている。
■様子見ムードが強まるか
来週の新興市場は、週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、米国市場の動向を見極めたいとする様子見ムードが強まりそうだ。一方で、10月4日に投開票される自民党総裁選に向けて下値の堅さは意識されることになるだろう。こう着感の強まる局面においては、相対的に出遅れ感のある中小型株へ物色が向かう可能性はありそうだ。時価総額の大きいところでは、今週末に強い動きをみせていたくすりの窓口<5592>やAIロボティクス<247A>、GA technologies<3491>、MTG<7806>への物色が継続するかが注目される。
来週のIPOは、10月3日にオーバーラップホールディングス<414A>が東証グロースに上場する。公開価格は1650円。ライトノベル・コミック・アニメにおける作品の企画・編集・プロデュース等を手掛ける。投資ファンドのエグジット案件であることがリスクになりそうだが、IP関連としての人気のほか、親引け先に小学館やポケモン社が名を連ねていることから関心は高そうだ。そのほか、6日に上場するムービン・ストラテジック・キャリア<421A>の公開価格は2080円、7日上場のウリドキ<418A>の公開価格は1200円に決まった。
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