学情 Research Memo(7):売上高は100億円突破を見込む
*15:47JST 学情 Research Memo(7):売上高は100億円突破を見込む
■今後の見通し
1. 2024年10月期の業績見通し
学情<2301>の2024年10月期の業績予想は、売上高10,000百万円(前期比13.8%増)、営業利益2,450百万円(同6.0%増)、経常利益2,600百万円(同1.4%増)、当期純利益1,770百万円(同0.9%増)を見込んでおり、売上高は100億円を突破することを見込んでいる。新卒採用市場の難化や経験者採用に対するニーズの高まりなど、良好な外部環境の継続が見込まれるなか、すべての主要商品の業績が拡大する見通しだ。特に、「Re就活」を中心とした経験者採用サービスを中心に重点的に事業拡大投資や新規事業開発投資を行いながら、しっかりと業績を拡大させていく。経験者採用サービスの強化により、2024年10月期の売上高に占める同サービス関連の売上構成比は、前期比プラス5.4ポイントの45.2%まで高まると想定している。また、基幹Webメディアである「Re就活」「あさがくナビ」の売上構成比も前期比プラス0.3ポイントの41.9%まで高まる想定だ。利益面に関しては、経験者採用サービスを中心にトップラインのさらなる成長や、収益性の高いWebメディアの売上構成比が継続して上昇すると見込んでいることから、人的投資、広告宣伝投資、マーケティング投資、システム開発投資、新規事業開発投資の各種先行投資を実行しながらも増益を確保する見通しである。
(1) 「Re就活」
売上高2,300百万円(前期比22.1%増)を計画している。経験者採用サービス群の核となる商品だ。経験者採用市場の見通しは良好であり、足元でも登録会員数が230万人を突破している。20代若手転職者からの支持が引き続き高い状況であるなかで、システム開発投資を行い求職者のニーズに応える新機能を継続的に追加しながら、広告宣伝投資により会員登録者数を拡大し、採用企業からの引き合いの増加に注力する。
(2) 「あさがくナビ」
売上高1,750百万円(前期比0.1%増)を計画している。経験者採用関連サービスに注力する方針のなか、保守的な見通しとなっている。加えて、「あさがくナビ」以外の新卒個別商品など、他の新卒関連商品へ顧客予算の分散が見込まれることも保守的な業績予想の根拠となっている。新卒採用市場での採用難易度が増すなか、企業は採用にかける費用を積み増しているものの、複数の商品を使ってより多くの学生にアプローチしたいという企業側のニーズがより顕著になっている。インターンシップに対するニーズが堅調に推移すると見込まれるなか、CXデザイン部を中心に顧客の採用成功を支援し、顧客満足度のさらなる向上に注力する。
(3) イベント(「転職博」「就職博」など)
売上高2,940百万円(前期比12.6%増)を計画している。採用難易度の高まりを受けてリアルで面談をしたいという求職者・採用企業双方のニーズが高まりを見せるなか、「転職博」と「Re就活」の連携をさらに強化することで、「転職博」のリアルイベントとしての訴求力を高めていく。合わせて、新卒市場ではインターンシップ広報に対応したイベントを増やす等、顧客企業の採用活動を支援する構えだ。
(4) エージェント事業(人材紹介)
売上高900百万円(前期比40.8%増)を計画している。経験者採用へのニーズが引き続き高水準で推移すると見込まれるなか、「Re就活」の広告宣伝投資によりアクティブユーザーを拡大させながら、キャリアアドバイザーも着実に増員し、旺盛な需要に対応できる体制を強化する。
(5) ソーシャルソリューション事業
売上高1,050百万円(前期比4.7%増)を計画している。転職・就職情報の提供、採用支援のノウハウを生かし、公的事業を通じて社会に価値を提供していく。2024年10月期においてもDX人材関連、インターンシップ関連の受注が好調に推移する見込みである。先述のとおり、これらの案件は一過性のものでなく、中長期的に国が注力するテーマであることから、同事業の業績にも安定して貢献していくと見込まれる。
(6) Re就活テック事業
売上高120百万円(前期比140.0%増)を計画している。IT人材の不足が深刻化するなか、まずは従来の顧客に対して「Re就活」を提案し、利用促進を図る。加えて、ITエンジニア経験者の採用に特化していることから、IT業界での新規顧客獲得に注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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