D&Mカンパニー Research Memo(7):2025年5月期通期は前期比2ケタの増収、増益を見込む(1)
*15:37JST D&Mカンパニー Research Memo(7):2025年5月期通期は前期比2ケタの増収、増益を見込む(1)
■D&M カンパニー<189A>の今後の見通し
1. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の連結業績は、売上高1,390百万円(前期比16.9%増)、営業利益301百万円(同7.4%増)、経常利益300百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益197百万円(同11.6%増)を見込んでいる。主力のF&Iサービスは同20.7%増の売上高758百万円を予想しており、全体業績をけん引することが期待される。C&Brサービスについては今後も大型医療機器等販売案件の計画があり、同25.5%増の売上高396百万円を見込んでいる。HR&OSサービスは人材派遣サービスの低迷を受け、同4.0%減の売上高235百万円を予想しているが、市場ニーズ拡大が見込まれる外国人就労支援やアウトソーシングサービスへの注力により補う方針だ。利益面では、C&Brサービスでの物販強化などの影響から売上総利益率は61.4%と前期比2.1ポイントの低下を見込むが、売上総利益は同13.1%増の853百万円を予想する。販管費については、従業員の採用増に伴う人件費や上場に伴う各管理費用の増加を見込み、合計で78百万円程度の増加となる結果、営業利益の増加率は同7.4%増となる予想だ。
F&Iサービスについては、2025年5月期第1四半期終了時点での業績予想比の進捗率が、売上高で24.8%、売上総利益で25.3%とどちらも堅調に推移している。引き続き顧客との最初の接点としての債権買取社数の増加を目指すとともに、既存顧客との取引を拡大することで投資資産残高の成長を図る。2025年5月期の投資資産残高目標指標として、債権買取社数は前期末比12社増の77社を、債権買取以外のサービスを含めた取引社数については同6社増の158社を目標としている。これにより、買取債権にリース債権や営業貸付金を加えた投資資産残高総額は前期比34.3%増の10,820百万円を目指す。新型コロナウイルス感染症の対応支援資金として実行された無担保・無利子融資は5年以内の返済据置期間が設定されているものが多く、融資制度開始から5年目を迎える2025年以降、同融資を利用してきた医療機関や介護施設等は、据置期間経過に伴う返済の本格化に直面する。同社は関連する資金ニーズを的確に捉え、債権買取サービスの提供を強化する。既存取引先との取引額増加については、採算性や信用リスク低減等へ入念に配慮しつつ、2025年5月期末の投資資産残高目標10,820百万円達成に向け、残高積み上げを推進する方針だ。
C&Brサービスの業績予想比進捗率は、売上高で48.8%、売上総利益で23.6%と、売上高は好調で、売上総利益は堅調な滑り出しだ。物販拡大が売上高を押し上げており、今後も顧客ニーズに積極的に対応し推進する。物販については他のサービスに比較して利幅が小さいというデメリットはあるものの、コンサルティングやF&Iサービスなどといった収益性の高いサービスとともに顧客にセールスすることによって顧客単位での採算性を確保する方針である。
HR&OSサービスの業績予想比進捗率は、売上高で25.4%、売上総利益で23.3%と堅調に推移している。人材派遣サービスが減少するなか、アウトソーシングサービスや外国人就労者紹介サービスに活路を見出すため拡充策を推進している。アウトソーシングについては、医療機関や介護施設等でのニーズが高い経理や人事業務等を対象としたシェアードサービス化支援サービスの準備を進めている。具体的には、経理や人事業務に加え調剤薬局の事務サービスの受託を開始し、専門スキルを持つ従業員を雇用した。複数の調剤薬局等から一般事務や経理業務をアウトソーシングで一括して請け負い、同社のスタッフがまとめて業務を処理するスキームである。同社によれば、受託内容により粗利差の発生が懸念されるものの、まずは売上高の増加を目指して積極的に推進する方針で、今後に期待がかかる。外国人就労者の人材紹介は、人材不足が深刻な介護施設向けが中心となるうえ、エージェントを介さない直接取引のため、高い収益性が期待できることから強力に進める。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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