学情 Research Memo(4):サービスを組み合わせ、ニーズに合わせた高いマッチング精度を実現(2)
*14:04JST 学情 Research Memo(4):サービスを組み合わせ、ニーズに合わせた高いマッチング精度を実現(2)
■学情<2301>の事業概要
d) Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)
朝日新聞社と共同編集する就活準備コンテンツで、多方面から学生の業界・企業研究をサポートし、独自の検索機能で企業とのマッチングを実現させる「スカウト型就職サイト」である。新卒対象ダイレクトリクルーティングサイトとして日本最大級の学生登録データを保有しており、有名大学や特定学部に囚われない幅広い学生へのダイレクトアプローチができる。「採用条件」「学校情報」「学生の特徴(希望する働き方など)」「保有資格」の4つのカテゴリからの学生スカウト機能や、AIがプレエントリーにつながりやすい学生をレコメンドするAIスカウト機能も有している。求職者・採用企業の双方のニーズに応えるために、適宜機能のアップデートを実施しており、2023年10月には生成AIを活用してES(エントリーシート)や自己PRを作成する新サービス「スマートESアシスタント」の提供を開始している。就職活動に役立つコンテンツをYouTube上で発信する「就活チャンネル powered by Re就活キャンパス」をはじめ学生向けコンテンツも豊富に展開しており、学生からの支持を集めている。さらに、リアルイベントと連携している点も特長であり、日本最大級の合同企業セミナー「就職博」に来場した学生データを活用し、積極的に就職活動をしている学生に顧客企業は効果的にアプローチできる。また、2025年3月には「Re就活キャンパス」へとブランドをリニューアルする。ブランド名を変更するのと同時に、大学4年生を対象にした「就職情報サイト」と、主に大学3年生を対象にした「インターンシップ・キャリア研究サイト」を1つに統合し、全学年対象の通年採用型サービスにリニューアルする予定だ。「Re就活」の知名度・ブランド力を生かしたサービス展開を推進し、成長を加速させる。加えて、「Re就活」ブランドへの統一によって、転職において第一想起されるサービスとしてポジションがより強固になる効果も期待できる。
新規サービスである「Re就活30」と「Re就活ユース」、さらには「あさがくナビ」のブランドリニューアルによって同社は、10代〜30代まで転職・就職を幅広く支援できる商品ポートフォリオを構築する。商品ポートフォリオの拡充・拡大によって同社サービスの提供価値を高めるともに、より多くの求職者と企業のニーズに応え、同社全体としての成長スピードをさらに加速させる構えだ。
e) イベント(転職博・就職博など)
来場者数の約90%を20代が占める「転職博」を札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、滋賀、京都、大阪、神戸、北九州、福岡の主要都市で定期的に開催している。採用企業は転職博に出展することにより、リアルの場で自社の魅力を求職者に伝えられるほか、効率的な母集団を形成できる。「Re就活」との連携により、効率的かつ効果的な面談を実現できる点も強みであり、「Re就活」のスカウトメールや求人案内を活用し、イベント出展を告知することで面談数を最大化できるほか、イベントで面談した求職者のデータの「Re就活」への反映・連携も可能である。
また、新卒学生をメインターゲットとした「就職博シリーズ」を札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、滋賀、京都、大阪、神戸、北九州、福岡などの主要都市で定期的に開催している。顧客企業は採用ターゲットや、インターンシップ開催時期、選考期間に応じて最適な時期を選んで出展することができる。「Re就活キャンパス」とデータ連携している点も特徴であり、「Re就活キャンパス」上での出展告知により面談数の最大化を図ることができるほか、面談した学生のデータを「Re就活キャンパス」と連携させることにより、シームレスな選考活動が可能になっている。就職博シリーズは、「スーパービジネスフォーラム」「就活サポートmeeting」など多彩なラインナップを有している。
Web上でのイベントも積極的に開催しており、キャリア採用を対象にした「Re就活TV」や新卒学生向けの「Web就職博」を展開している。「Re就活TV」は事前に収録した企業の紹介動画を視聴する形式であり、採用企業は「Re就活」に登録している求職者を対象に自社の情報を発信できる。「Web就職博」は、これまで出会えなかった学生との出会いを創出するオンライン開催の「就職博」である。1回当たりの参加企業数を限定したうえで、LIVE配信ならではの双方向のやりとりも可能であることが、求職者・採用企業のコミュニケーションの密度を高めている。
2024年10月期においても、採用難易度が上昇するなか、企業のリアルイベントでの直接面談に対するニーズが拡大した。また、求職者は企業の雰囲気や社風を重視しており、「対面で話を聞きたい」「直接、情報収集をしたい」といったニーズが高止まりを続けている。こうしたなかで今後も、同社イベント事業は好調に推移すると予想される。
f) エージェント事業(人材紹介)
「Re就活」のデータベースと連携し、同社エージェントが幅広い20代登録者の中から最適な採用ターゲットを提案するサービスである。求職者との日程調整や合否連絡などの採用業務を同社が一部代行するほか、成功報酬型の人材紹介サービスで、リスクゼロの採用活動が可能である。また、東京・名古屋・京都・大阪・福岡の大都市圏を中心に、全国の勤務地に対応した人材の紹介を行っている点も特長である。キャリア採用へのニーズが高まるなかで、求職者と面談するキャリアアドバイザーの採用強化も行っている。
g) ソーシャルソリューション事業
採用・就職支援活動の実績を生かし、各省庁や地方自治体の雇用促進、人材確保支援事業等を実施している。近年はインターンシップの支援や、デジタル人材のマッチング促進、就職氷河期世代の就職支援など、国が重点課題として位置付けるテーマで多くの案件を受託している。なお、これら案件はこれまでの実績が高く評価され随意契約も多く、安定性が高い。
同社の顧客企業はコンサルティングの効果が高い中堅中小企業が多く、競合比で高い利益率を実現している。これは同社が強力な自社サイトを有していることが要因の1つである。同社では、これらのサイトを強化することで求職者からの評価を上げ、その評価が上がるにつれ参画企業も増加するという好循環を実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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