タナベ Research Memo(8):2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け進捗は順調
*13:08JST タナベ Research Memo(8):2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け進捗は順調
■今後の見通し
2. 中期経営計画の概要
タナベコンサルティンググループ<9644>は、2022年3月期から5ヶ年の中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」をスタートさせている。同社が従来から強みとしてきた経営戦略の策定(上流)をアップデートするとともに、現場におけるマネジメント実装・オペレーション(中流~下流)もプロフェッショナルDXサービスとして強化し、企業経営を一気通貫で支える唯一無二の経営コンサルティング支援モデルの構築を進めることで、成長を加速する戦略だ。
業績数値目標については、最終年度となる2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円、ROE10%、ROA15%を掲げている。2023年3月期実績を起点とした3年間の年平均成長率は、売上高で8.5%、営業利益で16.0%となり、2025年3月期以降に利益ベースでの成長が加速する計画である。付加価値の高いチームコンサルティングサービスを中心にグループシナジーを高めながら事業を拡大し、収益性を高める戦略だ。2023年3月期までの2期間は計画を上回るペースで進捗した。ここ数年、DX投資や人的資本経営、M&A、SDGsに取り組む企業が増えており、グループシナジーによってこれらの需要を取り込めていることが要因だ。グループ化した子会社とのシナジーとして、プロフェッショナルDXサービスが強化されたことで、新規顧客獲得や既存顧客へのクロスセル・アップセルにつながっている。
今後も顧客企業のDXや人的資本経営、M&A、グローバル戦略などのコンサルティングニーズを取り込むと同時に、行政・公共サービスの領域にも展開することで、売上規模を一段と拡大することは可能と見られる。M&Aについても経営コンサルティング領域の多角化戦略を基盤に置いている。特にプロフェッショナルDXサービスの強化につながる企業などを対象に引き続き検討している。2026年3月期の売上高150億円のうち130億円は既存事業の成長で達成し、残り20億円をM&A戦略の推進で達成する考えだ。グループ化した子会社間で顧客の相互送客を行い、チームコンサルティング契約の増加並びに受注案件の大型化を推進するなど、グループとしてのシナジーをより一層高めることができれば、2026年3月期の業績目標も十分達成できるものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>