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FCE Research Memo(3):ITツールランキングで1位を獲得した「Robo-Pat DX」

2023年12月25日 16:23 銘柄/投資戦略

*16:23JST FCE Research Memo(3):ITツールランキングで1位を獲得した「Robo-Pat DX」 ■FCE Holdings<9564>の事業内容

1. DX推進事業
DX推進事業では、純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX」を開発、コンサルティングサービスを付けて販売している。RPAとはパソコン内の業務を自動化する仕組みのことで、あらかじめプログラムされたソフトウェアロボットが、オフィスで日常的に行っているパソコン事務作業を自動的に行っている。今後の人口減少社会を見据えて、働き方改革や生産性向上を実現するうえで有効なツールと言われている。なお、「Robo-Pat DX」を構成する技術の一部は(株)PKSHA Associates(PKSHA Technology<3993>の子会社でアシリレラから商号変更)からライセンスの供与を受けている。顧客企業へのライセンス提供は、直接利用契約を締結するほか、全国の販売パートナーを通じて提供している。

同社は「Robo-Pat DX」を、一人ひとりのパソコン業務を自ら自動化することができる「パーソナルRPA」というコンセプトに基づいて開発、現場の業務フローと必要な機能を追究し、継続的に改善を重ねてきた。このため、(1) 現場で日々業務に当たっている人が直感的に運用できる操作性、(2) 対象アプリケーションを問わない融通性、(3) 初期費用がなくリーズナブルな利用料金によるスモールスタート、(4) 月ごとの契約によるフレキシブルな運用、(5) 1ヶ月間3ライセンスの無料トライアルなど、使いやすいサービスになっている。また、(1) グループの研修ノウハウを生かした丁寧なロボット作成マニュアル、(2) コンサルティングノウハウを生かした個別の直接サポート、(3) 「ロボパットマスター認定プログラム」の受講、といったRPAを使いこなすためのサービスをワンストップで提供している。こうした特徴により、従来の売り切りやオプション料金制と違って、導入から3ヶ月で現場が「Robo-Pat DX」を使いこなせるようになるため、RPA製品の導入にハードルを感じている中堅・中小企業や部門単位で導入を検討している大企業に業種を問わず非常に好評で、チャーンレート(解約率)も1%台※と大変低くなっている。

※他社にない個別サポートの効果が抜群で、個別サポートを開始してまもなくチャーンレートが5%台から1%台へと下がり、その後も徐々に下がっている模様である。


RPA市場は2ケタ以上の伸びを継続しており、普及期に入ってきたと見られている。しかし、RPAの普及率が依然10%程度に留まると言われるなか、特に中堅・中小企業において、働き方改革や生産性向上に向けてRPA導入のニーズは強い。こうした市場では、同社の特徴である使いやすく手厚いサポートサービスが求められており、2015年に販売をスタートした「Robo-Pat DX」は、導入社数が2019年9月期末に約450社、2023年9月期末には1,192社に達するなど急速にシェアを拡大しており、今後も市場を上回る伸びを続けることが期待されている。

販売は当初からのWeb広告に加え、営業から契約、サポートまでを守備範囲とする代理店、リード(見込み客)獲得に絞った紹介パートナー制度を通じて行われている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)後は展示会の利用も多くなってきた。ライセンスの種類と料金は、ロボットの動作シナリオをパソコンに作成登録して実際に作業できるまでサポートするフル機能版が12万円/月・台(税抜き)、実行専用版が4万円/月・台(税抜き)になる。一般的にフル機能版1台、実行専用版1台となっていることが多く、顧客当たりの平均単価は16万円/月程度である。ほかに、1つのライセンスを複数のパソコンで共有できるフローティングライセンスもあり、複数部門や複数拠点をまたいで活用できるためコスト削減につながると喜ばれている。同社の収益という点では、PKSHA Associatesに売上高の3割のライセンス料を支払っているが、人件費や広告費など固定費的な費目が多いことからストック収益性が高く、既に損益分岐点を超えて利益獲得期入りしている。

このような「Robo-Pat DX」に対する評価は非常に高く、2023年3月に「BOXIL SaaS AWARD 2023」において、2年連続でRPA部門第1位、導入事例セクション 医療・製薬業界部門第1位を獲得した。また、5月には、使いやすさとサポートの厚さが評価され、RPAのみならずITツール全ジャンル約7,300製品が揃う「ITreview Best Software in Japan 2023(通称「ユーザーが選ぶ最強ITツールランキング」)」で、弥生会計やZOOMなど錚々たるソフトウェアが並ぶなか第1位を獲得した。なお、同社は2023年6月、(株)KMT研究所が運営するソフトウェアVisual Center1及びVisual CenterXに関する全事業を譲受した。これによりデータベースの管理が、データの関連性を相対的な位置で認識するエクセルから、オブジェクトとして各情報に関連付けられる「Pat Link DB」へとバージョンアップされる。このため「Robo-Pat DX」の利便性が向上することが予想され、「Robo-Pat DX」の人気は一層高まることになろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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