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兵機海運 Research Memo(5):燃料油価格高騰等の影響にさらされている一方で、適切なリスク管理を実施

2024年06月24日 15:25 銘柄/投資戦略

*15:25JST 兵機海運 Research Memo(5):燃料油価格高騰等の影響にさらされている一方で、適切なリスク管理を実施 ■事業概要

3. リスク
兵機海運<9362>の主要リスクは以下のとおりであるが、合理的かつ効果的に管理されていると思われる。

(1) 傭船先の経営状況の動向
同社では、内航事業において貨物の輸送責任を全うするために、船舶の確保が課題となっている。このため、傭船先との協調体制が必要であり、船主が船舶を調達するにあたり、船主への貸付金の実行や債務保証を金融機関に行っている。このため、傭船先の経営状況によっては債務保証の履行、貸倒損失の発生といったリスクを負っており、同社の業績及び財務に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスク回避のために、船主へのヒアリングや傭船先の財務諸表等により経営状況の把握に努めている。

(2) 燃料価格の動向
燃料油価格は世界的な原油需給や産油国の動向等により変動する。一例を挙げると、2022年2月下旬以降のロシアによるウクライナ侵攻を受け、原油等のエネルギー価格が高騰している。燃料油価格の著しい高騰は、同社の業績及び財務に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスクに対処するために同社は、取引先には燃料コスト上昇に応じた運賃改定を依頼するなど、適正利潤の確保に注力している。

(3) 為替動向
同社の事業においては、外貨建取引もあり、為替動向によっては同社の損益に影響を及ぼす可能性がある。ただ、外航事業におけるドル建て売上と港運事業でのドル建ての支払等で相殺され、為替変動リスクは従前より軽減されていると見られる。

(4) 金利動向
同社の資金調達手段は間接金融に負うところが大きく、金利スワップ取引による金利の固定化を図っている。一部、変動金利で調達している資金については金利変動リスクを受ける可能性があるが、近年、金利水準が低位安定しているため、相対的にはリスクの軽減が図られていると言える。ただ、足元ではマイナス金利政策の解除などを受け、金利には上昇圧力がかかっている状況だ。現在の金利水準は依然として低位安定ではあるものの、長短の金利動向を常にウォッチしながら適切な資金調達方法を検討していく構えだ。大型設備投資が必要な業種特性から、引き続き金利動向には注視が必要である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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