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富士紡ホールディングス---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、通期連結業績予想の上方修正及び期末配当金の増配を発表

2025年02月03日 14:34 銘柄/投資戦略

*14:34JST 富士紡ホールディングス---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、通期連結業績予想の上方修正及び期末配当金の増配を発表 富士紡ホールディングス<3104>は31日、2025年3月期第3四半期(24年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比20.5%増の321.92億円、営業利益が同149.2%増の49.87億円、経常利益が同116.2%増の51.95億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同120.5%増の36.44億円となった。

研磨材事業の売上高は前年同期比51.9%増の143.36億円、営業利益は同505.6%増の35.58億円となった。2023年前半に底を打った世界の半導体市場は、2024年に入り緩やかな回復が続いている。このような中、超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によってメモリや最先端ロジック向け半導体の需要が増加し、一部ユーザーの在庫水準も引き上げられたため、受注が増加した。シリコンウエハー用途は、過剰在庫が徐々に解消されつつあるが、本格回復には至っていない。ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻ってきているが、液晶ガラス用途ではパネル市場の低迷が続いており、受注が低調に推移した。

化学工業品事業の売上高は同7.7%増の100.89億円、営業利益は同46.0%増の9.44億円となった。機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、昨年来の中国経済低調の影響が継続しているものの、半導体を含む電子材料市場の緩やかな拡大と在庫調整の一巡により需要が回復傾向となった。また、新規製品への取り組みが奏功し、工場の稼働は改善した。

生活衣料事業の売上高は同0.4%減の53.78億円、営業利益は同22.3%減の5.09億円となった。繊維素材は、物流費やエネルギーコストの高騰に加え、円安の影響を受け、厳しい環境が続いた。繊維製品は、量販店の店舗減少や消費者の節約志向の高まりにより苦戦した。一方、ネット販売では、SNSや検索広告などのWebマーケティングを強化し、ネット専用製品を拡充することで、効果的な商品訴求を図った。また、高品質な日本製品が評価され、海外向け販売は好調に推移した。しかし、円安の進行に伴う原材料や資材の価格高騰が続いているため、利益面では粗利率が低下した。

その他の売上高は同4.5%減の23.87億円、営業損失は0.24億円(前年同期は1.11億円の利益)となった。化成品部門は、当第3四半期より医療機器用部品およびデジタルカメラ用成形品の受注が堅調となり、前年同期比で増収となった。一方、金型部門は、自動車メーカーの品質不正問題や大手企業の経営統合などにより、依然として不透明な状況が続いている。また、事務機器用金型が開発案件の端境期にあることや、車載コネクタやスマートフォン向けホットランナーの需要が低調であることから、厳しい状況が続いている。貿易部門では、採算重視の取引への改善を進めている。

2025年3月期通期については、同日、連結業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比22.7%増(前回予想比1.4%増)の443.00億円、営業利益が同127.1%増(同6.7%増)の64.00億円、経常利益が同101.4%増(同6.5%増)の66.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同103.1%増(同4.9%増)の43.00億円としている。

また、2025年3月期通期連結業績予想の修正等を踏まえ、2025年3月期における期末配当予想を前回予想の1株当たり60.00円から10.00円増配し、70.00円とすることを発表した。この結果、中間配当金(1株あたり60.00 円)と合わせた当期の年間配当金予想は1株あたり130.00円となる。

<AK>

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