後場に注目すべき3つのポイント~買いが続かず上値の重い展開に
*12:29JST 後場に注目すべき3つのポイント~買いが続かず上値の重い展開に
16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は6日ぶりに反発、買いが続かず上値の重い展開に
・ドル・円は大幅安、円買い継続で
・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はリクルートHD<6098>
■日経平均は6日ぶりに反発、買いが続かず上値の重い展開に
日経平均は6日ぶりに反発。前日比107.38円高(+0.28%)の38551.96円(出来高概算8億9000万株)で前場の取引を終えている。
15日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は703.27ドル高の43221.55ドル、ナスダックは466.84ポイント高の19511.23で取引を終了した。寄付き前に発表された主要銀行の強い決算を好感した買いや、12月消費者物価指数(CPI)のコア指数が予想外に鈍化し年内の利下げ期待が広がり、買戻しが加速し、寄り付き後、上昇。長期金利の低下でハイテクも買い戻され、株式相場は終日堅調に推移した。終盤にかけ、イスラエルとハマスが停戦で合意との報道で中東情勢の改善期待を受けた買いも強まり、一段高となり終了。
米国株の大幅上昇を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。寄付き後の日経平均は上げ幅を拡大し38900円台まで上昇する場面も見られたが、買い一巡後は、円高ドル安を材料にトヨタ自<7203>など自動車株の多くが下落したことなどが重しとなり上げ幅を縮小。一時、前日終値水準まで押し戻されるなど引き続き上値の重い展開となった。
日経平均採用銘柄では、エンジン不正問題で米当局と和解した日野自動車<7205>が買われたほか、円高を材料にニトリホールディングス<9843>が買われた。また、12月の工作機械受注が好調だったことからオークマ<6103>、ファナック<6954>、SMC<6273>などが上昇。このほか、野村ホールディングス<8604>、TOTO<5332>、サイバーエージェント<4751>、ソフトバンクG<9984>、クラレ<3405>などが買われた。
一方、株式売り出しで需給悪化懸念が意識されて村田製作所<6981>が売り優勢となったほか、円高ドル安を受けて、トヨタ自、日産自<7201>、マツダ<7261>、スズキ<7269>、SUBARU<7270>、ホンダ<7267>など自動車株の多くが下落した。また、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>など海運株が弱い。このほか、横浜ゴム<5101>、キッコーマン<2801>、荏原製作所<6361>などが下落した。
業種別では、証券・商品先物、石油・石炭、サービス、保険、パルプ・紙などが買われた一方、海運、輸送用機器、空運、食料品、医薬品などが下落した。
「今日こそは米国株高を背景とした大幅反発」を期待した投資家も多かったと推測するが、日本株の上値は重いままだ。長期金利の指標となる10年物国債利回りは1.24%水準と横ばい。1月23-24日に開催される日本銀行による金融政策決定会合での利上げ観測は高まっているが、メガバンクなど金融株がしっかり買われるなど強い動きは見られず。積極的な買いの主体が不在なため、後場の日本株は上値の重い展開が続き、前日終値を下回る可能性もある。
■ドル・円は大幅安、円買い継続で
16日午前の東京市場でドル・円は大幅安となり、156円52銭から155円20銭まで下げた。日銀が来週の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの思惑から円買いが優勢となり、主要通貨を下押し。一方、米10年債利回りは動意が薄くドル買いは後退。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は155円20銭から156円52銭、ユーロ・円は159円75銭から161円08銭、ユーロ・ドルは1.0285ドルから1.0299ドル。
■後場のチェック銘柄
・グリーンモンスター<157A>、Will Smart<175A>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はリクルートHD<6098>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・12月国内企業物価指数:前年比+3.8%(予想: +3.8%、11月:+3.8%←+3.7%)
・豪・12月失業率:4.0%(予想:4.0%、11月:4.0%)
【要人発言】
ベッセント次期米財務長官
「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」
<国内>
・特になし
<海外>
・16:00 英・11月鉱工業生産(予想:前月比+0.1%、10月:-0.6%)
・16:00 英・11月商品貿易収支(予想:-180億ポンド、10月:-189.69億ポンド)
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