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Pウォーター Research Memo(3):高い顧客獲得力を源泉に、全国8水源と自社物流で物流費高騰に対応

2026年01月07日 11:33 銘柄/投資戦略

*11:33JST Pウォーター Research Memo(3):高い顧客獲得力を源泉に、全国8水源と自社物流で物流費高騰に対応 ■会社概要

4. 強み
プレミアムウォーターホールディングス<2588>の強みの根源は「高い顧客獲得力による保有顧客の純増」であり、それによって積み上げられた業界首位の顧客基盤である。これにより、水源分散化や物流効率化などへの投資が可能となり、好循環を生み出している。

(1)顧客獲得力
同社は宅配水市場でのシェアを近年大きく伸ばしている。この高い顧客獲得能力は、合併前のエフエルシーがデモンストレーション販売で国内トップクラスであったことに遡る。顧客獲得方法は様々だが、主に大型商業施設や大手量販店、ホームセンターなどで同社専用のブースを期間限定で出展し、デモンストレーション販売により5割弱の顧客を獲得している。また、培った営業ノウハウや従業員への教育に加え、従業員の育成とモチベーションを考慮して作り込まれた従業員評価制度により、能力を引き出す仕組みが充実している。

残りの5割強の新規顧客は、テレマーケティング及びWeb販売によって獲得している。コロナ禍で増加した在宅時間の一部が定着した消費者層に対して、これらの手法の有効性は現在も継続している。環境の変化に柔軟に対応し、多様な販売チャネルから顧客を獲得できるのが、同社の競争優位性である。

(2)全国8水源体制
同社は水の安定供給及び地産地消を狙いとして水源を分散する方針を採る。現在、富士吉田(山梨県)、富士(静岡県)、南阿蘇(熊本県)、金城(島根県)、朝来(兵庫県)、北アルプス(長野県)、吉野(奈良県)、北方(岐阜県)の全国8ヶ所で月に最大250万件の生産が可能な体制を構築している。8つの水源を持つ体制は、業界でも稀有な規模である。

水源を増やす難しさは、一定以上の顧客が確保できなければ工場の稼働率が上がらず製造コストが高くなる点にある。しかし、同社は保有顧客が継続的に増加していることで、工場稼働率を落とすことなく水源の開拓を実現している。

また、水源の分散は、災害時などの事業継続計画(BCP)対策にもつながる。2016年の熊本地震の際に南阿蘇の供給がストップした際も、九州地方に配送する宅配水を他の水源から供給できた実績があり、分散化が災害対策としても有効であることを示している。

(3)地産地消及び自社物流による物流効率化
宅配水業界にとって、近年の物流費の上昇は大きな経営課題である。同社は1WAY方式(使い切り容器)の配送を行うため、大手の配送業者を中心に配送を委託している。売上収益に占める配送費の比率は20%を超え、配送業界からは継続的に値上げのプレッシャーがかかる状況にあるため、物流費のコントロールは極めて重要である。

同社が推進する主要な戦略が、「水源の分散化による配送距離の短縮化」、すなわち「地産地消」である。製造地と消費地が近接することで配送費を抑制できる。8工場は担当エリアが明確に分担されており、例えば南阿蘇工場は九州地方、金城工場は中国・四国地方などを担う。エリア内で定期的にまとまった物量が確保できるため、トラックの積載効率も向上し、物流費高騰を回避する主要因となっている。

2019年3月期からは、大都市圏を中心に自社専用の配送を行う地域のパートナーを活用し、地産地消の物流インフラと大手配送業者を併用する独自の配送体制を構築した。2026年3月期中間期には、自社物流(大手配送業者以外の配送パートナーであり、同社製品の配送を専門に行う)の比率は51.3%となっており、物流費の抑制に貢献している。

5. 保有顧客件数の推移
同社はKPI(重要業績評価指標)として保有顧客件数の推移を設定し管理している。保有顧客件数は、2016年7月の経営統合前の23万件から、統合直後には39万件に増加した。その後も安定した右肩上がりの成長を続け、2020年3月末には100万件を超え、2025年9月末には179万件に到達した。

このように新規契約ペースが解約ペースを継続的に上回るため、安定した純増を継続している。解約率を抑制するうえでは、優良な顧客の獲得及び顧客満足度の向上が重要だ。同社は、クレジットカード決済比率の向上、長期契約(現在は5年契約に注力)顧客の増加などを通じて優良顧客の獲得に注力している。また、接客サービスの品質向上や、会員向けに食品などを優待価格で提供するプレミアムモールなどを通じて、顧客満足度の向上に取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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