弁護士ドットコム:業績の底打ち気運が高まる、クラウドサインは過去最高
*10:57JST 弁護士ドットコム:業績の底打ち気運が高まる、クラウドサインは過去最高
日本初の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」、日本初のWeb完結型の電子契約サービス「クラウドサイン」、日本初の税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」、日本初の企業法務ポータルサイト「ビジネスロイヤーズ」を展開している弁護士ドットコム<6027>の株価が底打ち反転傾向を強めている。
2月12日には、2025年3月期業績予想の下方修正を発表している。売上高は14,740百万円から14,000百万円(前期比23.6%増)、営業利益は1,700百万円から1,310百万円(同6.0%増)となったものの、4Q(1-3月期)が前年同期比で50%超の増益予想が示されたことで、業績の底打ち気運が高まっているといえる。
足もとでは、メディアセグメントのカンファレンス広告サービスおよび人材紹介サービスにおいて、法律分野以外の専門領域の売上が急拡大には至らず当初計画を下回っている。一方、主力事業であるIT・ソリューションセグメントのクラウドサインサービスは、当初計画を若干下回っているものの、電子契約サービスへの高い社会的需要を背景に、今期における新規有料企業数、1社あたり平均単価、新規経常収益額はいずれも過去最高となる見通しだ。全社のARRは118.5億円(前年同期比18.3%増)、うちクラウドサインは72.1億円(同29.4%増)、弁護士ドットコム他は46.4億円(同4.3%増)。特にクラウドサインは12月の料金変更による効果もあり、固定売上が12月単月で予算を達成、期初計画を上回る成長軌道に転換増収効果はARRで3億円以上、クラウドサインのARRを5%押し上げている。
なお、主力の「クラウドサイン」は、契約締結から契約書管理まで可能なクラウド型の電子契約サービス。契約交渉が済んだ完成済の契約書をアップロードし、相手方が承認するだけで契約締結可能で、書類の受信者はクラウドサインへの登録は不要となる。契約締結のスピード化、コスト削減などの導入メリットがあり、1ユーザー契約送信件数3件/月まで無料で活用できる。有料プランは固定費用に加えて、送信件数ごとに200円/件。クラウドサインは大企業・地方自治体を中心に導入が進んでおり、地方自治体は378自治体のうち253自治体がクラウドサインを導入済み(シェア約70%)。
「弁護士ドットコム」は、一般ユーザーと弁護士を繋ぐプラットフォーム。無料の法律相談や弁護士に関する詳細な情報を元に、ユーザーがより弁護士に繋がりやすくなるサービスを提供している。月間サイト訪問者数約770万人、累計法律相談件数約140万件の圧倒的データベースのほか、登録弁護士数28,288名で国内弁護士におけるシェアが62%、有料登録弁護士数は14,418人(2024年12月時点)。また、弁護士向けサービスでは、「判例秘書」「弁護革命」も提供している。「判例秘書」は全裁判官・全検察官に利用されており、弁護士を含めた法曹三者の中で圧倒的シェアを占めている。「弁護革命」ではデジタル文書を効率的に活用できる業務スタイルへの変革を後押ししている。そのほか、時事問題の弁護士解説を中心としたメディア「弁護士ドットコムニュース」は法律×ニュースの独自ポジショニングで月間訪問者数は約770万人に上る。「税理士ドットコム」は月間サイト訪問者数約70万人、日本最大級の税務相談ポータルサイト。「ビジネスロイヤーズ」は月間サイト訪問者数約42万人、日本最大級の企業法務ポータルサイト。
弁護士業界は弁護士広告の解禁、弁護士報酬の自由化、新司法試験の実施など、2000年以降の司法制度改革により大きな変化が起きている。弁護士数の増加に伴い弁護士のマーケティングニーズの高まりから顧客開拓が進み、弁護士報酬市場は2000年から拡大しており、今後も増加基調が続こう。市場の追い風に伴って弁護士領域は弁護士ドットコム・判例秘書・弁護革命とのグループ連携を推進しており、クロスセルも順調に推移して安定的な収益を確保している。また、クラウドサインなどの電子契約市場は、上場企業のシェアでみると普及しつつあるが、個別の企業ごとでは全ての部署が利用していることはなく、利用率は少ない現状がある。こういった企業内での利用率を高めることでまだまだ売上高・利益の拡大余地が残っており、契約送信件数の増加から底堅い収益が積み上がっていく。クラウドサインをはじめとする各事業の成長に伴って業績の拡大基調が続くことになろう。
<NH>
