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リグア Research Memo(4):接骨院の経営支援に貢献する様々なソリューションを提供(1)

2023年08月15日 14:24 銘柄/投資戦略

*14:24JST リグア Research Memo(4):接骨院の経営支援に貢献する様々なソリューションを提供(1) ■リグア<7090>の事業概要

1. ウェルネス事業
ウェルネス事業は、柔道整復術※の施術所である接骨院・整骨院(以下、接骨院)に、経営における様々な問題(売上の減少、資金難、経営戦略不足、教育制度の未整備等)に対するソリューションを提供する事業である。当該事業の経営上重視する指標(KPI)は、取引実績のある接骨院数であり、2023年3月期末で4,536院(前期末は4,020院)と着実に増加している。

※柔道整復術とは、骨・関節・筋・腱・靭帯等に加わる外傷性が明らかな原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等の損傷に対して、整復・固定等を行い、人間の治癒能力を最大限発揮させる施術。


ウェルネス事業のサービスは、「ソフトウェア」「機材・消耗品」「教育研修コンサルティング」「請求代行」に区分される。

(1) ソフトウェア
a) Ligoo POS & CRM
「Ligoo POS & CRM」(以下、CRM)は、接骨院向け患者情報管理システムである。接骨院は日々の施術内容をCRMに入力することで、CRMの分析機能により自院の課題を分析することができる。また、複数の接骨院を展開するグループ院においては、本部がグループ全体の運営状況をリアルタイムで把握することができる。

2023年3月期末時点のCRMの導入院数は1,662院、約573万人の患者データが蓄積されている。CRMでは接骨院業界における全国平均や地域別平均等の様々なデータを集計することができるため、これらデータを指標として用いたコンサルティングも提供している。なお、CRMの売上高は、導入時に発生する初期設定費用、導入後のシステム利用をサポートする導入支援費用、月額利用料にあたるシステム利用料で構成されている。

b) レセONE
接骨院で行われている柔道整復術は、医療保険制度の適用対象※となっている。「レセONE」は、健康保険組合等の保険者に対して、療養費支給申請書(以下、レセプト)を提出する際に使用するレセプト計算システムである。

※接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫等の施術を受けた場合に、保険対象になる。なお、骨折及び脱臼は、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要となる。


同社では2019年2月より「レセONE」の販売を開始し、2023年3月期末時点の導入院数は1,204院となっている。CRMとデータ連携ができ、接骨院はレセプト情報の入力だけでCRMの分析機能を活用できることが特徴である。また、2020年6月よりCRMと「レセONE」の機能を併せ持った「レセONEプラス」も販売している。なお、「レセONE」の売上高は、導入時に発生する初期設定費用、月額利用料にあたるシステム利用料で構成されている。

(2) 機材・消耗品
a) EMS-indepth-
「EMS-indepth-」(以下、EMS)は、外部から身体に電気刺激を与えることにより、筋肉を運動させる電気的筋肉刺激装置である。EMSでは、一般的に鍛えにくいとされているインナーマッスル※1を運動させることができるとともに、全身運動が難しい人でも部分的なトレーニングが可能なため、接骨院における自費施術※2での健康増進メニューとして販売している。

※1 深層筋とも呼ばれ、身体の深い部分にある骨・内臓・関節等を支える筋肉の総称であり、姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用している。
※2 保険適用外であり、利用者の100%自己負担となる施術。


b) トムソンベッド
「トムソンベッド」は、骨盤や背骨の歪みが原因となる痛みへの対処法である油圧電動式の施術台(一般医療機器)。特徴は、施術者と利用者の両方に負担が少なく、施術時間も短縮できることである。同社では、接骨院における自費施術メニューを補助する医療機器として、「トムソンベッド」を販売している。

c) Inject Energy
「Inject Energy」は、150Vを超える高電圧を用いて身体の深部を刺激することで、疼痛の軽減や筋肉の萎縮の改善等に用いられる低周波治療器(特定保守管理医療機器)である。同社では、接骨院における自費施術での急性疾患改善メニューとして、「Inject Energy」を販売している。

d) Dr.Supporter
「Dr.Supporter」は、IFMC.技術を採用した一般医療機器である。身体に装着することで血行促進や疲労回復、筋肉の疲れ・こりの緩和、神経痛・腰痛・筋肉痛の緩和、体幹安定等の様々な効果が期待される。同社では、健康サポート領域への展開として自社ブランドを立ち上げ、2021年6月より全国の接骨院等の店舗向け販売を開始するとともに、自社のECサイトでも販売している。「Dr.Supporter」の導入院数は2022年3月期末は337院だったが、2023年3月期末は1,163院へと拡大した。

e) 各種教材
経営・運営・教育・組織等の各分野における同社のコンサルティングノウハウを集約した教材や施術方法等の技術用DVD等を販売している。

f) その他
接骨院向けECサイト「LiGUA Market」で、接骨院で使用する消耗品等を販売している。また、接骨院での自費施術メニューの充実化を図るため、EMS、「トムソンベッド」「Inject Energy」以外の機材も販売している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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