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新興市場見通し:日米中銀会合通過後は、グロース市場に関心が向かう展開に

2024年12月14日 15:04 市況・概要

*15:04JST 新興市場見通し:日米中銀会合通過後は、グロース市場に関心が向かう展開に ■個別材料が出た銘柄への物色が旺盛

今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+0.97%だったのに対して、グロース市場指数は+1.63%、グロース市場250指数は+1.70%と新興市場が相対的にやや強かった。週初は、週末に12月限先物・オプション特別清算値(SQ値)算出を控えていたことや米株高などを材料に、大型株が強く、新興市場は大型株に引っ張られる展開となった。週末にかけては、メジャーSQ通過を受けて、大型株に対する積極的な売買が手控えられたことから、幕間つなぎ的な物色が新興市場に向かった。個別材料が出た銘柄への物色が旺盛だった一方で、時価総額上位銘柄は強弱まちまちだった。

時価総額上位銘柄では、好決算を発表したGENDA<9166>が乱高下の末、週末にかけて上げ幅を広げ、取引時間中としては11月12日以来の3000円台回復となった。足下きつい動きが続いていたタイミー<215A>も、好業績が材料視されて週末ストップ高となった。一方、MTG<7806>は、子会社で費用過少計上の疑いがあると発表し週末ストップ安。なお、9日にグロース市場に上場したインフォメティス<281A>の初値は、公開価格を8.1%下回る993円。12日にグロース市場に上場したユカリア<286A>の初値は、公開価格を8.0%下回る975円となった。一方、13日にグロース市場に上場したラクサス・テクノロジーズ<288A>の初値は、公開価格を51.6%上回る426円と強い初値形成となった。

■IPOの本格化で直近IPO銘柄への物色も

来週は、17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18-19日に日本銀行による金融政策決定会合がそれぞれ開催されることから、日米中銀会合に対する思惑でプライム市場への関心が高まり、イベント通過まで新興市場への関心は低くなりそうだ。ただ、日米中銀会合通過後は、今週末にメジャーSQも終わったことから、機関投資家はクリスマス休暇入りする見通し。週末頃からはプライム市場からグロース市場に関心は向かおう。グロース市場250指数の方向性は不透明だが、IPOも本格化を迎えており、短期資金の流出入による活発な商いに期待したい。

今週末にかけて強い動きを見せたGENDAは、上場来高値を更新すると、需給面を材料視した買いが入る可能性もある。一方、アストロスケールHD<186A>は、25年4月期通期連結業績予想の修正を発表。前期より赤字幅が拡大したが、想定線との見方もあり、週明けの動向に注目したい。また、IPOの本格化で直近IPO銘柄への物色も広がりそうだ。

来週は、17日にスタンダード市場に液晶ディスプレイ用印刷版などを手掛ける黒田グループ<287A>、人材育成事業を手掛けるリスキル<291A>、18日にプライム市場にメモリおよび関連製品の製造を手掛けるキオクシアHD<285A>、19日にグロース市場にスマホアプリ運営のdely<299A>、小型SAR衛星の開発・運用などを手掛けるSynspective<290A>がそれぞれ上場する。キオクシアHDに関心が集まっているが、公募価格が仮条件の上限とならなかったため、公募割れが懸念されている。


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