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グロービング Research Memo(1):2025年5月期は、売上高・利益ともに大幅増を見込む

2025年03月03日 11:01 銘柄/投資戦略

*11:01JST グロービング Research Memo(1):2025年5月期は、売上高・利益ともに大幅増を見込む ■要約

グロービング<277A>は、エンタープライズ向けに経営戦略や事業戦略などを策定から推進まで支援するコンサルティング事業、及び営業生産性の向上や業務効率の改善に資するプロダクトをSaaS※で提供するクラウドプロダクト事業を展開している。

※ Software as a Serviceの略で、インターネット経由で利用できるクラウドサービス。

同社が提供するコンサルティングサービスの特徴は、コンサルタントを顧客の内部に配置し、組織の中から事業変革を促し、顧客と伴走しながら売上拡大やコスト削減などの成果を上げていることである。また、議事録作成やデスクリサーチなどの作業についてはAIツールの活用を推進しており、工数の削減により競合他社と比べ相対的に低価格を実現している。

1. 2025年5月期中間期の業績概要
2025年5月期中間期の業績は、売上高が3,874百万円(前年同期比136.8%増)、営業利益が1,428百万円(同17.8倍)、経常利益が1,405百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が879百万円となった※。

※ 同社は2024年5月期の中間連結財務諸表を作成していないため、売上高及び営業利益の前年同期比は未監査の数値を記載し、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益の前年同期比については不記載とした。

売上高については、コンサルティング事業のDX・AI活用・新規事業開発に関する需要拡大、及び短期(3~4週間)のM&Aプロジェクトなどの受注急増などにより大幅に拡大した。コンサルタントの中途採用は計画どおり進捗した。売上総利益率は、短期M&Aプロジェクトなど高単価なプロジェクトの構成比が高く、かつ高い稼働率を維持したことから、前年同期比6.5ポイント上昇の69.5%となった。販管費は、前年同期末比でコンサルタント数が増加し、人件費が拡大したものの、大きな先行投資がなかったことから、販管費比率は前年同期比25.4ポイント減少の32.7%となった。その結果、営業利益は急拡大し、営業利益率は36.9%と同32.0ポイント改善した。

2. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の業績は、売上高が7,612百万円(前期比82.3%増)、営業利益が2,184百万円(同491.0%増)、経常利益が2,187百万円(同477.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,401百万円(同437.9%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。

売上面については、経営・事業戦略の策定やDX推進などに関するコンサルティングの需要は高水準であり、かつ足元のコンサルタントの採用が順調であることから、下期も上期同様に好調継続が期待される。コンサルタントの純増数は四半期ごとに10人を目安として、即戦力の中途採用を進める計画である。利益面については、採用関連費用・人件費の増加、及びクラウドプロダクトの開発に伴う先行投資の実施などによるコスト拡大が見込まれるが、増収効果及び高付加価値な案件の拡大などにより、収益性の改善が見込まれる。

3. 今後の成長戦略
同社は、2025年5月期中間期を目途としてコンサルティング事業の成長基盤の整備をおおむね完了しており、さらなる成長に向けた強化策として、「全世界のコンサルタントのAIエージェント化」と「“動的平衡”マネジメントの展開」を推進する計画だ。

(1) 全世界のコンサルタントのAIエージェント化
コンサルタントの業務を代替するAIエージェントの開発及び展開を推進する。AIエージェントが戦略・企画の立案時のアイディア出し・仮説出しのサポート、議事録作成や市場調査などの業務を担うことにより、Joint Initiative(以下、JI)型のコンサルタントは意思決定のスピードを上げることができる。

同社は開発したAIエージェントを自社内に展開し、実業務を通して実証実験を進めており、機能を順次追加しながら強化している。自社内で効果が実証された領域からプロダクト化し、外販を進めることにより、最終的には「全世界のコンサルタントのAIエージェント化」を実現することを目標としている。

(2) “動的平衡”マネジメントの展開
同社は、欧米型のトップダウンでマネジメントするガバナンス経営に対するアンチテーゼとして、日本型経営の独特な特徴である「人」を中心とした経営方法論を体系化し、AIエージェントに実装して外部展開していくことを目指す。

日本の企業経営を生物学における動的平衡から捉え直し、「“動的平衡”マネジメント(同社による造語)」としてマネジメント手法に落とし込むことを考えている。同社はそれに関する書籍の出版、国内経営者を集めた経営者コンソーシアムの立ち上げなどによりさらに考えを深め、長期的にはAIエージェントに実装して国内外に向けて展開していく考えだ。

■Key Points
・エンタープライズ向けに伴走型の戦略コンサルティング事業を展開
・2025年5月期中間期は順調に売上拡大、高収益案件の増加により営業利益率は急上昇
・2025年5月期は売上高・利益ともに急拡大を見込む
・コンサルタントのAIエージェント化などにより、さらなる成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)

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