セレコーポレーション Research Memo(4):「アパート経営の専門店」として各事業で専門性と技術力を発揮(2)
*14:24JST セレコーポレーション Research Memo(4):「アパート経営の専門店」として各事業で専門性と技術力を発揮(2)
■事業概要
4. セレコーポレーション<5078>の強み
同社の強みとしては「敷地対応力」「空間設計」「外観デザイン」の3つがある。
(1) 敷地対応力
技術開発により自由度の高い設計プランが可能である。雁行型の設計プランの採用などにより、活用の難しい変形地でも十分な収益が得られる戸数が確保できる。また、同社は自社工場を有しており部品数も豊富なことに加え、メーカーである強みを生かし雁行型をはじめとする様々な形状が建築可能だ。
(2) 空間設計
同社は、「平方メートルから立方メートルへ」という住まいを三次元の発想で考えた新空間設計を取り入れている。「縦×横」の平面に「高さ」を加えた立体として考え独創的な空間を設計している。商品は首都圏の若者を対象に、「Feel Type」「Fusion Type」「Fwin Type」を展開している。
a) Feel Type(入居者イメージ:30~35歳の単身者)
「ワンルームを1LDKへ」という発想により、既存の概念を超えた凸凹設計を取り入れている。隔壁を雁行させる凸凹設計により、玄関を開けた時にベッドスペースが見えないなど、視線を遮ることで独立性を保ちつつ広々とした一体空間を描いており、従来型の賃貸アパートの間取りや居住性に不満を持つ若者層からの支持を得ている。また、凸凹設計により25平方メートルで従来型の30平方メートル相当に対応していることから、一般的な1LDK建築と比較して戸数が増え、不動産オーナーが受け取る賃料収入と同社が受け取る請負金額の両方が増加するというWin-Winの関係が構築されている。
b) Fusion Type(同25~30歳の単身者)
宙に浮かぶようなユーティリティスペースと安心感のある掘り込み床のワークスペースが一体化し、生活シーンを立体的に描き出す空間を設計している。平面ではなく立体として空間を捉えることで新しいスペースを生み出し、22平方メートルで従来型の25平方メートル相当に対応している。
c) Fwin Type(同35~40歳のパワーカップル)
「Fusion Type」をふたり暮らしの生活を想定した設備や仕様に変更したもの。自由(Free)なふたり(Twin)の時間を大切にして欲しいという発想から設計された。約40平方メートルで従来型の50平方メートル1LDK相当に対応している。
(3) 外観デザイン
同社の商品は、時を経ても色褪せない赤煉瓦調の外観デザインとなっている。最高位ブランド「My Style vintage」はマンション並みのグレードにこだわっており、アパートには珍しい門柱門扉とガス燈風の門柱灯や、入居者のプライバシーを高めるアルコーブなど、高級感を演出し商品優位性を確保している。これらのことから、同社の商品は画一的なデザインの物件と差別化できていると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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