Sイノベーション Research Memo(4):2027年末に売上高100億円企業に、営業利益は10億円を目標
*11:04JST Sイノベーション Research Memo(4):2027年末に売上高100億円企業に、営業利益は10億円を目標
■中期経営計画
Sharing Innovations<4178>の強みは、Salesforce、データサクセス、Open系開発などに広く対応可能な人財の厚みを持っていることであり、マルチに対応できる総合的Integration力で顧客のニーズに応えている。今後も競争の場である国内クラウド市場は、2028年まで年平均で成長率が約16%(経済産業省「IT人材需給に関する調査-調査報告書-」2019)となることが想定されるなど、まだまだ成長余地はある。そうした中、同社は中長期にわたる社会課題や企業ニーズを踏まえて2025年を初年度とする3か年の中期経営計画骨子を作成した。
中期経営計画策定にあたって、「メインとなるデジタルソリューションの導入に加え、その課題に隣接するソリューションの提供を可能にすることでクライアントの全般の課題に寄り添うこと」を目指す姿として掲げた。
また、これまでOpen系及びSaaSにおけるエンジニアリング力を強みに事業を展開してきたが、マーケット潮流の変化にしっかりとフィットするために収益性、人的資本、資本効率──以上の3つの観点に大きな課題があると考え、これらの課題を中期的に解消して着実な成長路線を進めるとしている。
それらを実現させることで、中期経営目標として、最終年度2027年12月期に売上高100億円、営業利益10億円を掲げている。さらに、3つの戦略を進める方針である。
(1) オーガニック戦略
既存クライアントの単体課題にとどまらず、周辺課題へのソリューション展開により、横展開や案件拡大を狙った戦略を推進する。
(2) 派生(新規)事業戦略
周辺課題から派生するソリューションの一部を派生事業として立ち上げ、利益体質を崩さず既存事業の着実な成長のために新規事業を活用する(新規事業に頼らないことが前提)。
(3) M&A・アライアンス戦略
計画を効率的に推進するためにM&Aやアライアンスを活用する。
これらの戦略を進め、10年後には売上高500億円、営業利益50億円を目指すという。
一方、IT業界は慢性的な人材不足であるため、優秀なエンジニアを確保することが業界各社の課題となる。同社では中長期の事業成長を見据えて、人的資本の価値最大化を実現するための人財戦略を推進するとしている。3つの最大化(組織パフォーマンス、人財力、従業員満足度)を実現することにより、事業成長の柱となる人的資本への投資を適切に実施する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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