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ワコム---3Qは、テクノロジーソリューション事業の順調な業績とあわせ、ブランド製品事業の構造改革も推進

2025年02月04日 18:20 銘柄/投資戦略

*18:20JST ワコム---3Qは、テクノロジーソリューション事業の順調な業績とあわせ、ブランド製品事業の構造改革も推進 ワコム<6727>は31日、2025年3月期第3四半期(24年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.8%減の875.18億円、営業利益が同44.3%増の76.02億円、経常利益が同26.2%増の84.01億円、事業構造改善の実施に伴い海外オフィスの解約費用等を事業構造改善費用として特別損失に計上したことなどが影響し、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.0%増の53.83億円となった。

テクノロジーソリューション事業の売上高は同3.8%増の642. 70億円、セグメント利益は同10.2%増の132.79億円となった。AESテクノロジーソリューションの売上高は市場環境の変化による影響を受けて前年同期を下回った一方で、EMRテクノロジーソリューションの売上高はOEM提供先の需要が増加したことから、全体の売上高は前年同期を上回った。セグメント利益は、為替円安によるプラス影響(売上高及び原価ともに主にドル建て取引による粗利の円安換算影響)等を含めて、前年同期を上回った。

ブランド製品事業の売上高は前年同期比14.6%減の232.48億円、セグメント損失は16.45億円(前年同期は30.69億円の損失)となった。主力のクリエイティブソリューションは、市場環境の変化による影響を受けるなか、プロ向けモデルはディスプレイ製品の新商品投入により需要の増加が見られた一方で、プロ向けモデル以外はディスプレイ製品の需要の減少やペンタブレット製品の一部モデルの販売終了などにより、全体の売上高は前年同期の売上高を下回った。ビジネスソリューションは、流動的な市況や案件進捗の動向の影響があるなか、全体の売上高は前年同期を上回った。セグメント損失は、前年同期より一時費用(売上原価)の計上が減少したことや販管費の削減により前年同期から縮小した。

2025年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比1.0%増の1,200.00億円、営業利益が同20.4%増の85.00億円、経常利益が同13.7%減の85.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.9%増の62.00億円とする期初計画を据え置いている。なお、同社は、収益構造改善に向けた全社組織及びブランド製品事業の構造改革に伴い、2025年3月期中 (1-3月期) に追加的な特別損失を計上する可能性があるものの、具体的な影響額については現在算定中であり、現時点の2025年3月期の連結業績予想の数値には反映されておらず、影響額が判明次第、適切なタイミングで更新するとしている。

また、同社は自己株式の取得を決定したと同日発表した。2025年1月31日開催の取締役会での決議内容は、取得する株式の種類は同社普通株式、取得する株式の総数は5,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.61%)、株式の取得価額の総額は25億円(上限)、取得する期間は2025年2月1日~2025年3月31日、取得する方法は東京証券取引所における市場買付け。同社は2025年3月31日までの中期経営方針「Wacom Chapter 3」の対象期間において、総額200億円を上限とする自己株式の取得を実施する方針に基づき、自己株式の取得を実施しており、2025年1月15日時点で累計実績175億円(2,417万株) の取得を実施済みとしている。 <ST>

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