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ラクトJPN Research Memo(4):商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド経営で事業領域を拡大(2)

2024年08月20日 15:04 銘柄/投資戦略

*15:04JST ラクトJPN Research Memo(4):商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド経営で事業領域を拡大(2) ■ラクト・ジャパン<3139>の事業概要

4. アジア事業・その他
(1) 乳原料販売部門
食の欧米化で乳製品市場の拡大が期待されるアジア市場をターゲットに、子会社ラクト・アジアを中核企業として、マレーシア、タイ、中国、インドネシア、フィリピンに子会社及び関連会社を設立し事業を展開している。乳原料・チーズ部門と同様、海外から仕入れた乳原料を各子会社のある国及びその周辺国において、日系及び現地食品メーカーなどに販売している。ラクト・アジアは乳調製品を日本に輸出するシンガポールや韓国の企業に対して乳原料を販売するとともに、加工した乳調製品の日本への輸出も行う。

(2) チーズ製造販売部門
シンガポールのラクト・アジア、タイのFTT社、及びインドネシアのPLJ社は、自社工場を持ち、主に競合の少ない業務用チーズを製造販売している。シンガポール、タイではプロセスチーズに加えて、近年ピザ用などで需要が高まっているナチュラルチーズを加工したシュレッドチーズの製造販売を行っている。インドネシアではシュレッドチーズのみ製造販売している。業務用チーズについては、「加工食品としてチーズを使いたいが、市場で販売されているチーズではうまく加工できなかった」「加工食品としてチーズを使用してみたいが、どのように使えばいいかわからない」といった食品メーカー、外食企業などの顧客ニーズや課題を丁寧に吸い上げ、マーケットインで一緒に解決していくという方針の下、製品開発を進めている。現在、“FOODTECH”及び“CHOOSY”という2つのオリジナルブランド製品を提供している。また、シンガポールでは現工場を新工場に移転する計画を進めており、2025年の稼働開始による生産体制の拡大を目指しているが、現地での許認可の遅れから稼働開始時期は少し遅れる見通しだ。

品質面においては、日本市場で培った厳しい品質基準で製造し、高品質な製品を提供するという方針の下、主力となるシンガポール工場では創業時から同国の食品工場を監督しているSFA(シンガポール食品庁)から「A」グレードという最高レベルの評価を継続して受けており、地元企業との差別化を図っている。また、アジアで販売していくための条件として、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどのムスリム(イスラム教徒)が安心して食べられる保証であるハラル認証も2004年度に製造事業を立ち上げた当時から取得しており、現地商慣習に合致した製品を提供している。2021年6月には食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるFSSC22000を取得し、さらなる品質向上とより安心、安全な製品の製造・提供を継続していく方針だ。

(3) その他
アジア以外の海外現地法人による食品原料の輸出事業などを行う。

5. ビジネスの強み
同社の強みは、まずその人的・知的資本にある。酪農・畜産関連原料の輸入において、顧客に高い価値を提供するために、産地の動向、国際市況、商品の特性、複雑な国内外の農業政策や輸入制度、貿易業務・関税などすべてに精通していなければならない。同社は、乳製品輸入の黎明期から乳製品や輸入業務に関する知識やノウハウを蓄積しており、グローバルな仕入先や大手食品メーカーと直接コンタクトを取りながら、現地の最新情報やニーズを常時把握する専門性の高い従業員を擁している。その人的・知的資本を土台にして、欧州、オセアニア、北米に現地法人を設立し、海外の仕入先である大半の大手乳業メーカーなどと長年の取引関係、信頼関係を構築してきたことが大きな強みである。同社は、仕入先の先進的な技術、最新の原料開発の情報を真っ先に得ることができ、販売先の多様なニーズに合わせた最適な原料の調達と供給、最適な原料や商品の開発、最新の情報提供などが可能だ。また、海外の先進技術と国内の乳製品原料を組み合わせて新しい製品や需要を創り出すこともできる。加えて、国内の乳業メーカーに限らず食品メーカー、飲料メーカー、飼料メーカーなど多様な販売先との取引関係を築いており、新たなニーズを発掘し、それを仕入先にフィードバックして新しい製品を開発することも可能だ。

新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けたサプライチェーンの混乱のなかでも、同社はグローバルな調達ネットワークを活用して原料の安定供給を継続した。気候変動や災害などの影響による生産量の変動などのリスクに対しては、地域を分散した多様な仕入先から安定的に調達できることも大きな強みのひとつである。また、早くからアジアで事業を展開してきたため、販売先のネットワークを持ち、アジア市場に精通している。さらに、商社機能に加えて、現地でチーズの自社工場を持つメーカー機能を保有しながら、販売先のニーズにきめ細かく応える商品開発を実現し市場を創造してきた実績がある。将来的に日本の乳製品をアジアのニーズに合わせて拡販することも可能だ。実際、同社は日本の酪農・畜産業界、行政など幅広いステークホルダーとのネットワークを構築しており、国内の脱脂粉乳の過剰在庫対策においては、輸入脱脂粉乳に代わり国産脱脂粉乳を販売したほか、国産脱脂粉乳のアジアへの輸出販売にも対応した。なお、アジアにおいてメーカー機能を持つことは、卸売に比べて利益率が高いという強みもある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

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