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システム ディ Research Memo(1):2025年10月期は2期ぶりに過去最高業績更新へ

2025年02月13日 12:01 銘柄/投資戦略

*12:01JST システム ディ Research Memo(1):2025年10月期は2期ぶりに過去最高業績更新へ ■要約

システム ディ<3804>は業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアを開発し、パッケージ販売やクラウドサービスで提供している。学園ソリューション(大学及び私立高校・専門学校)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校)、公会計ソリューション(自治体及び関連公共団体)、ウェルネスソリューション(スポーツ施設及びテーマパーク・文化施設)、ソフトエンジニアリング(民間企業、公益法人、学校法人等)と5つの事業を展開し、いずれも業界トップクラスのシェアを握る(子会社で薬局ソリューション事業も展開)。2023年6月にAIベンチャーの中村牧場(株)を子会社化し、生成AIを活用した新機能の開発に取り組んでいる。

1. 2024年10月期の業績概要
2024年10月期の連結業績は、売上高で前期比2.2%減の4,631百万円、営業利益で同9.3%減の828百万円と減収減益に転じ、会社計画(売上高4,886百万円、営業利益940百万円)に対しても若干下回った。前期に更新需要で増加した仕入商品の売上が反動減となったほか、学園ソリューションにおいて追加のカスタマイズ案件が減少したことが減収要因となった。利益面では、売上減に加えて人件費や減価償却費、データセンター利用料の増加などが減益要因となった。ただ、自社開発パッケージソフトの新規導入は順調に進展し、累計ユーザー数で10,764ユーザーと当面の目標であった1万ユーザー超えを達成したほか、ストック収益についても同6.7%増の2,541百万円と順調に拡大した。

2. 2025年10月期業績見通し
2025年10月期の連結業績は売上高で前期比8.5%増の5,024百万円、営業利益で同12.6%増の932百万円と増収増益に転じる見通し。前期に減収となった学園ソリューションやウェルネスソリューションも含めすべての事業部門で増収を見込んでいる。学園ソリューションは国立大学向けに「Campus Plan」(学務系シリーズ)の新規導入が進み、ウェルネスソリューションではレジャー施設向けのクラウド型チケット管理システム「Smart Hello チケット」の新規導入が進む見通し。そのほか、公教育ソリューションやソフトエンジニアリング部門では新規顧客の獲得が進み、公会計ソリューションでは、2023年10月にリリースした地方公共団体向け「公有財産管理システム」の引き合いが増えており増収に貢献する。ストック収益の順調な拡大に加えて、フロー収益も新規顧客の獲得効果で増収に転じる見通しだ。引き続き人材投資による費用増を見込むものの、増収効果で吸収し営業利益率も前期の17.9%から18.6%へ上昇する。

3. 成長戦略
同社は2025年10月期までの「第一次 システム ディ強靭化計画」において、持続的成長を実現可能とする経営基盤の構築を重点課題として取り組み、経営数値目標として売上高営業利益率20%、ストック収益比率50%、自己資本比率60%以上の継続を掲げていた。売上高営業利益率に関しては人材投資を積極化していることもあり若干下回る見込みだが、そのほかの数値目標は超過達成する見通しだ。2026年10月期からスタートする第二次強靭化計画でも、ここ数年でリリースした新製品の拡販効果などで既存事業のさらなるシェア拡大と成長を目指すものと見られる。とりわけ、ガバメントクラウドの進展に伴う公教育・公会計ソリューション事業での成長余地は大きいと見られ、今後の動向に注目したい。なお、2025年10月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の27.0円と10期連続の増配を予定している。

■Key Points
・2024年10月期は減収減益に転じるもストック収益は順調に拡大
・2025年10月期はすべての事業で増収となり、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し
・公教育・公会計ソリューションを中心に各事業でシェア拡大を図り持続的成長目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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