フィスコニュース

ナガイレーベ Research Memo(1):期ずれ案件を取り込み、通期では営業利益前期比1.9%増を見込む

2025年05月02日 11:01 銘柄/投資戦略

*11:01JST ナガイレーベ Research Memo(1):期ずれ案件を取り込み、通期では営業利益前期比1.9%増を見込む ■要約

1. 2025年8月期中間期の業績概要
ナガイレーベン<7447>の2025年8月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比6.1%増の7,843百万円、営業利益が同6.8%減の1,499百万円、経常利益が同5.9%減の1,543百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同5.9%減の1,062百万円となった。営業減益となったが、期初から想定されていたことであり、計画比では売上高が2.4%、営業利益が2.0%上回った。前期からずれ込んでいた案件を取り込んだことで増収を確保した。利益面では、円安に加えて加工賃や原材料の上昇などから売上総利益率は39.8%(前年同期は43.2%)へ低下したが、販管費の伸びを前年同期比2.0%増(計画比3.5%減)に抑えたことから営業利益は同6.8%減となり、若干だが計画を上回る結果となった。

2. 2025年8月期の業績見通し
2025年8月期の連結業績は、売上高が前期比6.6%増の17,500百万円、営業利益が同1.9%増の4,082百万円、経常利益が同2.5%増の4,175百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同2.2%増の2,883百万円を見込んでおり、期初予想と変わっていない。依然として市場全体では厳しい環境が続くと予想されるが、コア市場では期ずれ案件を確実に取り込むことに加え、低価格市場へ戦略製品を投入して増収を見込む。注力している周辺市場では、患者ウェアの新商品の拡販に加え、手術ウェアのリース化推進などにより増収を図る。利益面では為替の影響、加工賃や原材料の上昇などが続く可能性があり、売上総利益率は41.0%(前期は42.8%)と通期でも低下すると見ているが、生産の効率化やさらなる収益性の改善を進めるほか、製品価格の改定効果により、営業利益は同1.9%増を見込んでいる。

3. 中期経営計画
同社は、2024年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を推進しており、その計画に変わりはない。目標としては、2027年8月期に売上高188億円、営業利益48億円を掲げている。事業戦略としては、引き続き「市場戦略」「商品戦略」「生産戦略」を推進し目標を達成する計画だ。株主還元の姿勢は変わらず、進行中の2025年8月期も年間60.0円を予定しているが、2025年が同社創業110周年であることから、記念増配の可能性はありそうだ。さらに資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的として、自己株式の取得にも前向きである。既に2025年8月期中間期末現在で4,762,825株の自己株式を保有している。強固な財務体質に加え、このような積極的な株主還元の姿勢を弊社は高く評価している。

■Key Points
・2025年8月期中間期はコスト増で前年同期比6.8%の営業減益だが計画以上の着地
・進行中の2025年8月期は期ずれ案件の取り込みや新製品の拡販で営業利益は前期比1.9%増と回復予想
・中期経営計画では2027年8月期に営業利益48億円を目指す。株主還元にも積極的

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

<HN>

フィスコニュース


一覧へ