【NYダウ】2024年の振り返りと25年の見通し~vol.2
*17:01JST 【NYダウ】2024年の振り返りと25年の見通し~vol.2
以下は、2025年1月29日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された【NYダウ】2024年の振り返りと25年の見通しです。
NYダウ2024年相場の振り返り、2025年の相場見通しを、フィスコ アナリストの白幡玲美が紹介、2回に分けてします。
2024年11月にトランプ氏が大統領選に勝利した後、トランプ政権が掲げる大型減税と規制緩和への期待感から株式市場は買い優勢となりました。特に、トランプ大統領の盟友ともいえるポジションに就いたイーロン・マスク氏が率いるテスラの株価は、大統領選前の11月上旬から一カ月少しで、2倍強上昇しました。また、トランプ大統領が暗号資産に対して前向きな政策を発信していたことから、ビットコインも急騰しました。
つまり、トランプ大統領との関係性や、政権が掲げる経済政策への関心は非常に高く、2025年もこうした期待感が米国株の原動力となる可能性はあります。
一方、懸念もあります。トランプ大統領が掲げる関税引き上げによって、世界的な貿易摩擦が発生するリスクは指摘されています。2016年の1期目とは異なり、2期目の今回は4年間と大統領の期間が限られていますので、25年1月のスタート時期からエンジン全開で政策を推し進める可能性があります。既に、中国やカナダ、メキシコなどへの関税引き上げをSNSで公表していることから、それなりの貿易摩擦が発生することは織り込み済みです。ただ、一部試算では、関税引き上げによって自動車や食品加工業、電子・電機産業の輸出減が影響しメキシコ、カナダ、中国はGDP押し下げ要因となり、世界全体ではGDPが0.3%押し下げるとのことです。
そして、トランプ政権が掲げる政策は、ドル高やインフレ上昇を招く可能性があるため、インフレ上昇によって、FRBの利下げ見通しが2回から1回、もしくは0回、はたまた利上げ、といった展開となった場合、ビッグテックを中心に売りが強まるなど乱高下する可能性はありますので注意は必要でしょう。
期待感だけではなく、懸念材料も存在するところがトランプ大統領らしいかなと思います。2025年の米国だけではなく世界に大きな影響を与える人物であるトランプ大統領の一挙手一投足には注目です。
次はNYダウの概要についてご説明いたします。NYダウは米ダウ・ジョーンズ社が算出・公表している米国の代表的な株価指数です。正式名称を「ダウ工業株30種平均」と言います。工業株と言いますが時代の流れに合わせて銘柄の入れ替えが行われた結果、現在では幅広い業種の銘柄で構成されているのが特徴です。株価の算出方法は選ばれた30銘柄の株価を合算しダウ・ディバイザーという定数で割った数字です。構成銘柄数が30と少ないため、指数が市場全体を的確に反映していないという指摘もあります。NYダウの構成30銘柄は記載の通りです。
大阪取引所のNYダウ先物の特徴をご説明いたします。通常、日本から米国市場の株式などへ投資する場合においては、米ドル建てでの投資となるため、原資となる日本円を米ドルに交換する必要があり、交換時の為替レートの変動等のリスクを負担する必要があります。
しかし、NYダウ先物は、NYダウの数値をそのまま円建てで取引するため、日本円での取引が中心の国内投資家にとっては、取引コストや通貨管理の面においてメリットがあります。また、取引において為替レートの変動を大きく意識する必要はありませんので、NYダウ先物には、NYダウの水準に直接的に投資することができる、つまり投資成果が分かりやすいという魅力もあります。
取引時間は日本時間の8時45分-15時45分及び17時00分-翌6時00分です。米国市場の取引時間をカバーすることもできます。例えば、米国株式市場に大きな影響を及ぼす雇用統計は夏時間の間は日本時間で21時30分に発表されるなど、米国の主要経済統計の公表は主に日本時間で21時30分-23時00分の間に行われます。NYダウ先物の夜間取引によっては、このような経済指標の発表時などNYダウがダイナミックに動く時間帯における取引が可能です。また、祝日取引も可能な商品です。取引単位はNYダウ × 100円です。つまりNYダウが42,000ドルの時は、420万円相当の取引を行っていることになります。取引に必要な証拠金の最低金額はVaR方式で日々計算され、 1/9現在は買いが1枚当たり209,742円、売りが175,189円です。
先物取引なので、売りから入ることが可能で、またレバレッジを効かせ手元資金の数倍の取引も可能です。大阪取引所のNYダウ先物取引について、是非ご活用を検討下さい。
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