前場に注目すべき3つのポイント~中小型株や個別に材料のある銘柄などにシフト~
*08:50JST 前場に注目すべき3つのポイント~中小型株や個別に材料のある銘柄などにシフト~
31日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■中小型株や個別に材料のある銘柄などにシフト
■住友不、25/3上方修正 営業利益 2700億円←2670億円
■前場の注目材料:三菱HCキャピタル、国内全拠点を再生エネに転換、非化石証書活用
■中小型株や個別に材料のある銘柄などにシフト
31日の日本株市場は、ギャップダウンで始まり、その後の底堅さを見極める相場展開が見込まれる。28日の米国市場は、NYダウが715ドル安、ナスダックは481ポイント安だった。トランプ米政権の関税への警戒に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する2月の米個人消費支出(PCE)統計で、PCEコア価格指数が予想以上に加速したため、インフレへの警戒が高まった。さらに、ミシガン大消費者信頼感指数が2年ぶりの低水準に落ち込んだほか、期待インフレ率が上昇したため、スタグフレーション懸念も強まり、売り圧力が強まった。シカゴ日経225先物は大阪比630円安の36380円。円相場は1ドル=149円40銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで36300円まで売られ、安値で取引を終えている。大幅な下げに対して、朝方は裁定解消売りが入りやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが指数を押し下げる形になりそうだ。先週末の日経平均株価は一時下落幅が900円を超える場面もみられたが、本日も大幅に下落して始まることで、センチメントを冷ますことになろう。
日経225先物は、ナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σに接近してきた。日経平均株価の-2σは36500円辺りに位置しており、同水準での底堅さがみられるかを見極めたいところである。トランプ米大統領は4月2日に相互関税を導入するほか、3日にはすべての輸入車に25%の関税を課す。政府間における今後の協議などの動きが意識される。関税に対する警戒から大きく売られており、相互関税の発表後はアク抜けの動きも意識されてくる可能性はある。
そのため、売り一巡後は冷静に下値を拾う動きが入りやすいほか、売り方についてもいったん買い戻しによってポジションをニュートラルに近づけることも考えられる。楽観視はできないものの、関税の影響を避ける狙いからディフェンシブ系にシフトする可能性もあるだろう。また、中小型株や個別に材料のある銘柄などには、個人投資家による値幅取り狙いの動きが意識されよう。
■住友不、25/3上方修正 営業利益 2700億円←2670億円
住友不<8830>は2025年3月期業績予想の修正を発表。売上高を1兆円から1兆100億円、営業利益を2670億円から2700億円に上方修正した。既存ビル・ホテルの収益改善を中心に賃貸収益増が計画を上回るペースで進捗、分譲マンションの販売単価上昇により粗利率が改善する。
■前場の注目材料
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・三菱HCキャピタル<8593>国内全拠点を再生エネに転換、非化石証書活用
・パナソニックHD<6752>独オフィスで再生エネ100%実証開始
・関西ペイント<4613>東京事業所を横浜に移転、固定資産圧縮で売却益を成長投資に
・三菱電機<6503>新事業の創出加速、新興と協業・アイデア社内公募で成長を目指す
・三菱商事<8058>東大に眠るシーズ発掘、寄付金6億円
・三菱商事<8058>米穀物大手と提携、30年度取扱量3000万トンを視野
・千葉興業銀行<8337>千葉銀行が株19.93%を取得、関係強化へ
・スズキ<7269>4輪工場の一部来月2日稼働
・ブラザー工業<6448>小型MC工具100本搭載、多品種小ロット対応
・川崎重工業<7012>水素圧縮の実証設備建設、液化プラント向け
・日本鋳鉄管<5612>クボタと合弁、ダクタイル鉄管をOEM生産
・三井海洋開発<6269>ブラジル沖FPSOプロ受注
・日本電気硝子<5214>ガラス製光学素子開発、レーザー核融合向け
・リコー<7752>リコージャパン、全国の地域金融機関と協定締結、業務改善・脱炭素化支援
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 2月鉱工業生産速報値(予想:前月比+2.0%、1月:-1.1%)
<海外>
・10:30 中国・3月製造業PMI(予想:50.4、2月:50.2)
・10:30 中国・3月非製造業PMI(予想:50.4、2月:50.2)
<ST>
