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TDCソフト Research Memo(1):2025年3月期第2四半期は全事業分野が好調に推移

2025年01月07日 16:01 銘柄/投資戦略

*16:01JST TDCソフト Research Memo(1):2025年3月期第2四半期は全事業分野が好調に推移 ■要約

TDCソフト<4687>は、金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系システムインテグレーターである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、銀行、クレジット、保険向けの金融ITソリューション分野が売上高の5割弱を占める。また、既存のシステムインテグレーション(以下、SI)事業領域を軸に新たな事業領域の拡大を目指している。最新の要素技術を活用した「高付加価値SIサービス」を推進しており、この取り組みによって次世代型SI事業は順調に拡大、ITコンサルティング&サービス分野の高成長が続いている。

1. 2025年3月期第2四半期の業績概要
2025年3月期第2四半期の業績は、売上高21,349百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益2,401百万円(同29.2%増)、経常利益2,442百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,652百万円(同26.1%増)と前年同期比で大きく増収増益となった。2024年11月に、好調な業績を受けて通期業績予想を上方修正しており、修正後の業績予想に対する進捗率は、売上高48.5%、営業利益50.6%、経常利益50.4%、親会社株主に帰属する当期純利益50.7%となる。公共・民間を問わずDX化のためのIT投資が旺盛ななか、各事業分野においてこれまでに培った実績を背景に継続的に案件を受注し、順調に業績を拡大した。分野別の売上高は、ITコンサルティング&サービス分野は前年同期比8.7%増、金融ITソリューション分野は同11.6%増、公共法人ITソリューション分野は同16.6%増、プラットフォームソリューション分野は同18.6%増の伸びを見せた。中期経営計画で主要戦略の1つに掲げる「高付加価値SIサービスの追求」についても、アジャイル開発やクラウド分野、マイグレーション案件などが牽引し、次世代型SI事業の売上高は同14.8%増の4,939百万円と大きく成長した。利益面では、受注増に伴う開発プロジェクトの増加に対して厳格なプロジェクトマネジメントを徹底し、各案件の採算性を確保した。

2. 2025年3月期の業績見通し
2024年11月に2025年3月期通期業績予想を上方修正し、売上高44,000百万円(前期比10.8%増)、営業利益4,750百万円(同24.7%増)、経常利益4,850百万円(同14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,260百万円(同5.5%増)を見込む。上期の受注高や売上高の計画を上回る伸長や、利益面においてプロジェクトマネジメントの徹底などにより着実に各案件の採算を確保できたことから、需要動向も踏まえ、下期も好調の継続は可能だと判断し、業績予想を上方修正した。2025年3月期第2四半期末時点で、受注高は21,984百万円(前年同期比13.6%増)、受注残高は10,766百万円(同25.4%増)となり、業種別売上高では、銀行向けが同22.5%増、製造業向けが同21.9%増、官公庁・団体向けが同36.4%増と、特に好調に推移している。下期においても引き合いは順調で、同社は手応えを感じていることから、通期業績予想達成の確度はかなり高いと弊社では見ている。好調な業績を背景に追加投資も進める。期初に実施した新卒採用者の教育投資や、次世代型SI事業拡大に向けた新要素技術獲得(ライセンス取得や開発環境整備など)などの事業投資に加え、マーケティング、ブランディング強化に向けた投資を行う。事業から得た成果を成長投資と株主還元へバランス良く配分する方針で、長期的な視点でも成長期待は大きい。

3. 中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の進捗
2023年3月期からスタートした中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」(FY2022~FY2024)では、主要戦略としての「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」に、Plusとして「事業領域の拡大」を掲げた。「高付加価値SIサービスの追求」においては、事業の拡大と高収益化を推進するため、アジャイル開発事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野と位置付けている。顧客の潜在ニーズを捉え、アジャイル、セキュリティなどの最新の要素技術などを活用することで、高付加価値サービスの提供と時間や手間などを含めたユーザコストの低減を両立したインテグレーションサービスである次世代型SI事業を順調に拡大させている。その結果、同事業の2025年3月期第2四半期の売上高は全売上高の23.1%となり、売上に即した事業の拡大やコスト削減の取り組みにより収益性も向上した。アジャイル開発事業の売上高が順調に拡大するのに呼応して、クラウドやセキュリティ関連事業についても既存顧客へクロスセルによるビジネス展開を図り、トータルセキュリティソリューションサービスの売上を着実に伸ばしている。なお最終年度となる2025年3月期の通期業績予想の達成により、中期経営計画の目標値である売上高43,000百万円、営業利益4,300百万円を達成する見込みである。

■Key Points
・2025年3月期第2四半期は全事業分野で好調、次世代型SI事業の案件も順調に拡大
・最新の技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に実行
・2025年3月期業績予想遂行により中期経営計画目標の達成へ

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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