FB Research Memo(1):2025年4月期上期は各事業が堅調に推移。新中期経営計画がスタート
*13:01JST FB Research Memo(1):2025年4月期上期は各事業が堅調に推移。新中期経営計画がスタート
■要約
フリービット<3843>は、法人向けにインターネットビジネスやMVNO※1向け事業支援(MVNE※2)サービス、集合住宅向けインターネットサービス、インターネット広告、個人向けインターネット接続やモバイルなどのサービスを提供しており、事業は「5Gインフラ支援事業」「5G生活様式支援事業」「企業・クリエイター5G DX※3支援事業」の3つにセグメントされる。「Being The NET Frontier!~Internetをひろげ、社会に貢献する~」という企業理念の下、祖業である通信インフラ領域で技術と実績を積み上げるとともに、積極的なM&Aを通じて事業ドメインをサービス領域へと拡充してきた。
※1 MVNO:仮想移動体通信事業者。
※2 MVNE:MVNOの支援事業者。
※3 DX:デジタルトランスフォーメーション。
2024年7月には新中期経営計画「Silk VISION 2027」(2025年4月期〜2027年4月期)を公表した。5G/web3時代の到来やその先の6Gを見据え、2021年からスタートした10ヶ年計画の第2ステージにあたる。これまで通信インフラ事業で培ってきた技術的優位性に加え、独自開発したレイヤ1ブロックチェーン技術を組み合わせたWeb2.0とweb3のハイブリッド手法により段階的・補完的にweb3を社会実装することで「通信生まれのweb3実装企業~Platform Maker~」として進化し、複雑化する社会課題の解決と持続的な成長を実現する方針だ。
1. 2025年4月期上期の業績概要
2025年4月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比5.1%増※1の26,622百万円、営業利益が同13.1%増の3,024百万円と実質増収増益となり、計画に対しても順調に進捗した。売上面は3つの事業が堅調に推移した。「5Gインフラ支援事業」においてMVNO向け支援サービスが伸びたほか、「5G生活様式支援事業」では集合住宅向けISP※2の提供戸数が拡大した。「企業・クリエイター5G DX支援事業」についても、国内外におけるアフィリエイトサービスが好調であった。利益面では、今後の成長戦略に向けた人的資本投資や新たな成長ドライバーへの投資を実施しながらも、増収による収益の押し上げやコストコントロールにより増益を確保した。
※1 前年同期比については、ギガプライズ<3830>及びその子会社の決算期変更による影響を除いて算出している。
※2 ISP:インターネット接続事業者。
2. 2025年4月期の業績予想
2025年4月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比5.3%増※の54,000百万円、営業利益を同3.8%増の5,700百万円と見込んでいる。引き続きMVNO向け支援(MVNE)サービスや集合住宅向けインターネットサービス、アフィリエイトサービスなどが好調に推移し、各事業が伸長する見通しである。利益面では、「SiLK VISION 2027」の最終ゴールを意識した成長投資を実施するものの、増収による収益の底上げや業務効率の推進により営業増益を確保する想定となっている。また、期末配当については、同3.0円増配の1株当たり30.0円を予定している。
※ 前期比については、上期業績説明と同様、ギガプライズ等の決算期変更による影響を除いて算出している。
3. 新中期経営計画「SiLK VISION 2027」の方向性
新中期経営計画では、前中期経営計画「SiLK VISION 2024」で創出してきた各種シード事業の社会実装に加え、既存事業の成長に合わせたM&A戦略の実行、業務提携による戦略ポートフォリオの拡大に取り組む。併せて、「Trusted Web」(詳細は後述)の概念に則った事業展開を推進し、最終的には通信生まれのweb3実装企業への転換(カテゴリーチェンジを含む)につなげる考えである。最終年度(2027年4月期)の業績目標として売上高63,000百万円〜70,000百万円、営業利益8,000百万円(年平均成長率13%)を掲げている。
■Key Points
・インターネット関連ビジネスを展開。独自開発の技術力と、技術と運用を組み合わせる「Building Blocks」に強み
・2025年4月期上期は各事業が堅調に推移し、実質的な増収増益を達成
・web3領域における事業の社会実装に向けて、新中期経営計画「SiLK VISION 2027」をスタート
・「Trusted Web」の概念に則った事業展開を推進し、「通信生まれのweb3実装企業~Platform Maker~」を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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