1stコーポ Research Memo(5):2025年5月期中間期は不動産事業をけん引役として売上高・利益ともに急伸
*13:15JST 1stコーポ Research Memo(5):2025年5月期中間期は不動産事業をけん引役として売上高・利益ともに急伸
■ファーストコーポレーション<1430>の業績動向
1. 2025年5月期中間期の業績概要
2025年5月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比100.3%増の27,228百万円、営業利益が同133.2%増の1,564百万円、経常利益が同131.6%増の1,516百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同129.0%増の1,024百万円と大幅な増収増益となった。好業績をけん引したのは不動産事業だ。同事業の売上高は同637.2%増の15,812百万円、セグメント利益は同501.3%増の1,433百万円と急伸した。前期からの期ズレ案件を着実に売却したことに加えて、期初時点では想定していなかった東京都渋谷区の案件を売却したことなどが業績を押し上げた。また、共同事業における分譲マンションの販売が好調に推移したことも同事業の業績拡大に寄与した。一方、建設事業に関しては、売上高が同0.8%減の11,286百万円と前年同期並みの着地となったものの、資材価格高騰分を相殺するための追加受注が下期にずれ込んだことなどを受け、セグメント利益は同29.0%減の743百万円となった。
不動産事業の業績が好調だったことを受け、通期業績予想に対する中間期までの進捗率は、売上高が65.6%、売上総利益が57.4%、営業利益が62.6%、経常利益が63.2%、親会社株主に帰属する当期純利益が62.4%と想定を上回った。
事業分類別の業績は、完成工事高が前年同期比0.8%減の11,286百万円、完成工事総利益が同27.6%減の779百万円だった。売上高に関しては、前期からの施工中案件に加えて、新規案件が順調に着工したことなどを受け、前年同期と同水準での着地となった。2025年5月期中間期には、新たに東京都杉並区、東京都八王子市、東京都足立区、神奈川県海老名市、埼玉県朝霞市の案件を着工した。一方、利益面に関しては資材価格高騰分の追加受注契約が下期に後ズレしたことなどが影響した。
受注状況に関しては、通期で8件(21,000百万円)の計画に対して、2025年5月期中間期実績は5件(15,629百万円)となった。通期計画に対する受注金額進捗率は74.4%と好調だ。このうち、造注方式による受注金額は4,645百万円(受注高に占める造注方式の割合は29.7%)だった。通期計画の4,800百万円に対する進捗率は96.8%と想定を上回るペースで推移している。東京都渋谷区の案件が造注金額を押し上げた。期末までにもう1件造注方式での受注を予定しており、計画を上回る可能性が高い。
不動産売上高は前年同期比591.1%増の13,668百万円、不動産売上総利益は同183.3%増の1,010百万円と売上高・利益ともに急伸した。前期からの期ズレ案件である東京都足立区の事業用地を着実に売却したことに加えて、北海道札幌市西区、東京都渋谷区の事業用地を売却したことなどが寄与した。特に期初時点では想定していなかった東京都渋谷区の事業用地を売却したことが業績を大きく押し上げた。これを受け、通期業績予想に対する中間期までの進捗率は、売上高が86.9%、売上総利益が74.9%と高い。
共同事業収入は同1184.6%増の2,143百万円、共同事業収入総利益は同2322.0%増の656百万円と急伸した。共同事業による分譲マンションの販売が好調だった。特に、群馬県前橋市の大型再開発案件が竣工、引き渡しとなったことが業績の急伸に寄与した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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