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学情 Research Memo(8):中期経営計画の数値計画を上方修正、4期連続の過去最高業績更新を見込む

2025年03月03日 14:08 銘柄/投資戦略

*14:08JST 学情 Research Memo(8):中期経営計画の数値計画を上方修正、4期連続の過去最高業績更新を見込む ■学情<2301>の今後の見通し

1. 2025年10月期の業績見通し
2025年10月期の業績は、売上高12,300百万円(前期比14.6%増)、営業利益3,000百万円(同12.9%増)、経常利益3,200百万円(同4.8%増)、当期純利益2,300百万円(同3.1%増)を見込んでいる。前期の業績が想定を上回るペースで推移したことを受け、同社は2025年10月期の業績予想(売上高・経常利益)を中期経営計画の業績目標値値から上方修正している。雇用の流動化や新卒採用の難化などを背景にキャリア採用市場のさらなる拡大が見込まれるなど、市場環境の見通しは良好である。そうしたなか2025年10月期も引き続き、「Re就活」をはじめとするキャリア採用サービスを中心に業績を拡大し、4期連続の過去最高業績更新を目指す。キャリア採用サービスは、既存事業をしっかりと成長させることに加えて、新規サービスや既存サービスのリニューアルによって同社サービスのターゲット層を拡大し、売上と利益をさらに積み上げる方針だ。具体的には、「Re就活テック」と「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」のリニューアルや、新規サービスである30代向け転職サービス「Re就活30」によって、従来は20代中心だったサービス提供対象を10代から30代まで広げる。10代から30代まで幅広く転職・就職を支援できる商品ポートフォリオを構築することで、より多くの求職者・企業のニーズに応えていく構えだ。中期経営計画のもとで広告宣伝投資、システム開発投資、新規事業開発投資などの成長投資を継続しながら、「Re就活」を中心にトップラインを成長させることにより、しっかりと利益を創出していく。

(1) 「Re就活」
売上高3,100百万円(前期比22.7%増)を計画している。キャリア採用サービス群の核となる商品だ。新卒採用の難化や企業のDX需要の高まりによって第二新卒、キャリア採用に対する企業のニーズは拡大しており、2025年10月期も好調な事業環境が見込まれる。そうしたなか、同社は登録会員数と掲載求人数を増やし、求職者と企業とのマッチングをさらに創出することで、20代キャリア採用Webメディアとしての立ち位置をより強固にする。具体的には、開発体制の強化、新たな広告手法の導入、インサイドセールスによる中途採用部門へのアプローチ強化などによって、同サービスを利用する転職者、企業を増加させる方針だ。足元では、2025年1月に登録会員数が260万人を突破するなど、順調に会員数を伸ばしている。市場環境が良好ななか、2025年10月期においても同社全体の業績伸長をけん引していくことが期待される。2025年春には高卒・第二新卒の転職をサポートする「Re就活ユース」のローンチも計画している。さらに多くの求職者、採用企業のニーズに応えることができるサービス提供体制を整備し、業績を拡大する方針だ。

(2) Re就活ダイレクトリクルーティング(「Re就活30」「Re就活テック」)
売上高250百万円(前期比123.3%増)と急伸することを見込んでいる。「Re就活テック」はリニューアルによって同サービスの対象となる求職者の年齢層を従来の経験年数1〜3年から、5〜10年に拡大した。また、「Re就活30」の市場投入によって、30代の転職活動もサポートできる商品構成を確立した。「Re就活30」に関しては、足元で会員数が計画を大きく上回るペースで増加しており、今後も会員数は順調に増加するものと弊社は見ている。その意味で、2025年10月期の業績に寄与する程度も相応に大きくなることが期待される。

(3) エージェント事業(人材紹介)
売上高950百万円(前期比22.5%増)を計画している。キャリア採用へのニーズが引き続き高水準で推移すると見込まれる。そうしたなかで、面談数とマッチング数の伸長に引き続き注力する方針だ。前期に課題の発見と対処に注力しており、事業基盤が強化されている状況である。それらの取り組みの効果が2025年10月期から顕在化する見通しである。面談数も順調に伸びてきており、さらなる成長ポテンシャルがあると言える。

(4) イベント(「転職博」「就職博」など)
売上高3,600百万円(前期比13.2%増)を計画している。リアルで面談をしたいという求職者・採用企業双方のニーズは今後も高まることが想定される。市場環境の見通しが良好ななか、イベントの来場者数をしっかりと確保しながら、採用企業の出展ブース数を伸ばす方針だ。また、企業のニーズが高まりを見せるなか、価格設定の柔軟性が高まっている状況もある。競合の状況を見ながら価格戦略を推進し、売上の伸長に加えて、利益の積み上げにも注力する。

(5) 「Re就活キャンパス(旧 あさがくナビ)」
売上高2,300百万円(前期比11.0%増)を計画している。同サービスに関しては、先述のとおり、2025年3月に「あさがくナビ」から「Re就活キャンパス」へとブランドをリニューアルし、併せて、大学4年生を対象にした「就職情報サイト」と、主に大学3年生を対象にした「インターンシップ・キャリア研究サイト」を1つに統合し、全学年対象の通年採用型サービスにリニューアルする。就職サービスと転職サービスのブランド統一によって、新卒で同社サービスを利用した求職者が転職の際に同社サービスを利用する確率をより高める戦略だ。

(6) ソーシャルソリューション事業
売上高1,230百万円(前期比8.4%増)を計画している。転職・就職情報の提供、採用支援のノウハウを生かし、公的事業を通じて社会に貢献する。2025年10月期においても国が重点課題と位置付けるテーマにおいて、受託案件を積み上げる方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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