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プログリット Research Memo(8):既存事業の拡充と新規領域への拡大を推進し、さらなる成長を目指す(1)

2024年05月13日 14:08 銘柄/投資戦略

*14:08JST プログリット Research Memo(8):既存事業の拡充と新規領域への拡大を推進し、さらなる成長を目指す(1) ■プログリット<9560>の今後の見通し

2. 今後の成長戦略
今後の成長戦略は、英語コーチングサービスの供給力の増強、法人向けビジネスの強化、開発力を生かしたサブスクサービスの拡充、新たな英語学習領域及び英語学習領域以外への展開を基本戦略としている。オーガニック戦略として、主力である英語コーチングサービスのさらなる顧客獲得拡大とサブスクサービスへの投資を中心に進めるなか、新規領域では積み上げてきたノウハウを生かし、新たな英語学習サービスと英語学習以外のサービスへ拡大し、既存領域と新規領域を組み合わせることで、事業価値の最大化を目指す。

(1) 英語コーチングサービスの供給力の増強
英語コーチングサービスの成長を確保するため、コンサルタントの人材を増やし、供給力を増強する。優秀な人材を社員として採用し、継続的にスキルを向上できるよう、コーチング研修の実施、コンサルティングノウハウや経験を組織知としてシェアしてアドバイスし合う「CSアップ」や「BPS」などの仕組みを整備している。また、社員のエンゲージメント向上のために、例えば、全国から全社員が集まり中長期的なベクトルを合わせるための創業祭の開催、ミッション実現に通じる仕事を全員で称えるミッションアワードなどの開催、エンゲージメントサーベイの実施とその改善活動など、多様な取り組みを実施している。こうした人的資本経営を実践しながら待遇面の改善も進め、優秀なコンサルタントがその能力をフルに発揮できる環境を整備することで、人材を増強していく。なお、2024年3月にはリンクアンドモチベーション<2170>が主催する「ベストモチベーションカンパニーアワード2024」を、2020年、2021年及び2023年に続いて受賞した。同賞は、リンクアンドモチベーションが従業員エンゲージメント調査を実施した企業の中から、最も「エンゲージメントスコア」(企業と従業員の相互理解・相思相愛度合いを偏差値化したもの)の高い10社が表彰されるもので、同社は中堅・成長ベンチャー企業部門(2,000名未満)において2位を受賞し、前年の5位からさらに順位を上げている。

(2) 法人向けビジネスの強化
法人研修市場においては、同社と大手英会話スクールの取引先企業数には10倍以上の開きがあり、同社では今後3,000社~5,000社の開拓余地があると捉えている。2023年8月期第2四半期より法人向けの営業組織の改革を実行に移し、1人当たり顧客接触回数が大幅に増加し、取引先企業数は着実に増えている。

今後、グローバルに事業を展開し、従業員の英語力向上に対するニーズの高い法人や、収益力が高く、従業員の教育投資に積極的な法人、特に従業員数を多く抱える大企業を優先して開拓を行い、法人英語研修市場でのシェアを拡大する考えである。業務をこなしながらの自己啓発時間の確保が難しい法人の従業員が海外業務部門に異動となる場合等、英語力獲得のニーズが急に発生する可能性は高い。同社の英語コーチングサービスは、効率の良い学習カリキュラムにより限られた期間で学習効果を得られる点で、顧客ニーズに合致していると考えられる。従業員の英語力向上については、法人の抱える課題によって求められるニーズが異なることがあるが、同社はそのような課題に対し、事前に現状のヒアリングを確実に行い、顧客の課題解決に資するプログラムをカスタマイズして提供する、といった柔軟な対応を図っている。そのような課題解決力も同社の強みと言える。

課題解決の実績は同社の財産となっている。例えばトヨタ自動車<7203>と行ったカスタマイズ教材導入のプロジェクトでは、英語での会議の録音内容や会議資料をもとにAIを活用し、顧客の対象事業領域で利用頻度の高い単語や表現の解析を行って、専門的な事業領域に特化したオリジナルカリキュラムを作成し、コーチングサービスとともに提供した。顧客法人の課題にフィットしたサービス提供のノウハウは、当然ながら同業他社をはじめ、同じような課題を抱える法人への提案に資するものとなるであろう。さらには英語の基礎力向上だけでなく、プレゼンテーション能力やファシリテーション能力等といった、法人の業務の現場に欠かせない能力向上に役立つサービスも提供している。同社は、このようなサービス提供力を強みに、今後も法人顧客獲得を推進する考えである。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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